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ガラガラポンが迫る
 トマ・ピケティ氏の労作には悪いが、資本の利潤が労働者の分配を上回るのは資本主義の基本構造であって四百年も遡って検証する意味も無い。貧富差の拡大は資本主義の必然であり、ガラガラポンなリセットが起こらない限り、貧富差の是正はあり得ない。
 近代の日本でもその真理通りに貧富差が拡大して行ったが、明治維新と太平洋戦争の敗戦という二回のガラガラポンによって貧富差は強制的に解消された。欧米でも二回の世界大戦が無ければ、治安が崩壊するほどの貧富差になっていただろう。ゆえに、貧富差が限界を超えた文明では戦争に期待するポピュリズムか労働者革命の願望が盛り上がらざるを得ない。関東大震災から昭和恐慌という暗転で大正デモクラシーが軍国主義に一変して行った昭和初期の我が国、第一次大戦の賠償金負担に世界恐慌が重なってナチスに国民の期待が集中した30年代の独逸などその典型だ。
 欧米流の階級搾取資本主義がグローバル化した今日では国民国家の枠を超えた地域的貧富差拡大も加わり、欧米社会の既得利権秩序側のルールが通用しないガラガラポン願望がどうしようもない勢いで増殖して行くのはもはや止め難い。中東やアフリカ、ウクライナなどで起こっている事の本質はそんなガラガラポン願望なのだろう。
 グローバル化した今日ではリーマンショックのような金で済むガラガラポンでは収まりがつかない矛盾の鬱積が限界を超えつつ在り、もはや1930年代的様相を呈している。世界の資本家階級が贖罪的慈善行為の枠を超えた自腹を切る階級格差是正に動くはずもないから、戦争か革命かというガラガラポンはもはや避け難い必然だ。何処からどんな形で発火するかは知る由もないが、個人も企業も遠からず降り掛かるカタルシスに備えるべきだろう。
 我ら極東の島国のファッション業界もようやく浮ついた宴から覚めて現実に気付き始めているが、経営者の頭は切り替わっているだろうか。今問われているのはガラガラポンな激変に備えるリスク管理と社内や取引先の貧富差を是正する統治の革命なのかも知れない。
 2015/02/23 11:22  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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