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ローカルカジュアルときものが復活!
 H&Mなどファストファッションを筆頭としたグローバルモードの奔流に109系やジーンズ系、裏原系などのローカルカジュアルが圧し潰されて行った6年間が終わり、ローカルカジュアルの反撃が始まったと幾度か指摘して来たが、秋に入ってその勢いは目を見張るほど加速している。モードカジュアルやクロージング系ビジカジが勢いを失う一方、アメカジに加えてジーンズカジュアルまで復活して来たのだから、もはや潮流は一変したと見るべきだろう。
 世界のコレクションシーンでもジャポニスムとノームコアの奔流は広がるばかりで、増え続ける外国人観光客を見るにつけ、アベノミクスがぐずつく経済はともかく、‘クール・ジャパン’の勢いは本物だという実感が日に日に強まって来る。
 そんな中、目を見張らされるのが坂を転げ落ちるように萎縮して来たきもの消費の復活だ。業界大手の決算業績や市場規模統計にはまだ反映されていないが、家計調査では今年になって1〜3月の駆け込みで前年比2.48倍の伸びを記録し、4〜8月も1.27倍に伸びている(1〜8月では1.57倍)。家計調査は一万世帯とサンプルが限られるが、一瞬とは言え東関東大震災を契機にスロー消費に転じた11年度もきもの支出は10%強の伸びを見せているから、国民の消費動向を反映していると見てよいだろう。きものの大手チェーンはアパレルチェーンのように月度の既存店売上伸び率を公表していないが、当社のSCデータで見る限り、一部の大手チェーンは今年に入って大きく伸ばしているから、きもの復活の勢いは本物に違いない。
 浴衣ブームできものを体験した若い女性がきものの魅力に目覚めて徐々に愛好家が広がる中、リサイクルきものやお手頃プレタきもののチェーンも多店化が進み、リサイクルきものの「たんす屋」は119店に広がり(表参道や原宿にも在る)、京都に発した3プライス(1/3/5万円)きものの「大塚呉服店」は神戸に続いて8月30日、新宿ルミネ1(4F)に出店を果たしている。そんな新世代の若向けきもの店で人気なのはお手頃で普段のお洒落も楽しめる秩父銘仙や伊勢木綿であって、高価で着装機会も限られる錦紗、友禅でないのは当然だろう。
 もはやきものは振り袖(フォーマル)や浴衣(季節商材)という枠を超え、若い女性のお洒落の一画を占め始めたと認識すべきだ。若い女性のみならず‘クール・ジャパン’が注目され外国人観光客が日本文化への関心を高める中、都心の商業施設でも新世代きもの店は必須業種となったのではないか。

 2014/10/22 14:53  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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