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店舗運営の死角
 昨日の日経MJは食品スーパー業界の「支払いセルフレジ」導入を報じ、「従来のレジ」「セルフレジ」と比較してなるほどと思わせる記事にまとめていた。
 「従来のレジ」はバーコード読み取りも金銭決済もキャッシャーが行うのに対して「セルフレジ」はどちらもお客がセルフで行うが、慣れない素人が行うので時間がかかり「従来のレジ」の3倍も要する。「支払いセルフレジ」ではバーコード読み取りはキャッシャーが行って金銭決済はお客が機械で行うもので、「従来のレジ」の倍速、「セルフレジ」の6倍速で処理出来るそうだ。「セルフレジ」は処理速度が遅い分、レジ列を増やさざるを得ず、家賃も坪効率も高い日本では非現実的だから、「支払いセルフレジ」という第三の選択に至ったと推察される。
 単価の低い食品はともかく衣料品ではRFIDタグによる一括読み取りが可能で、NFCを使ったスマホ決済が加われば一気に処理速度が加速するが、店スタッフが陳列棚に品出しして売れる度に補充し整理し、お客が陳列棚から買い上げ品をレジカウンターまで運び、店スタッフが包装するという手間は変らない。これらは販売プロセスに付随する無駄な店内物流作業で、削減出来れば店スタッフが接客に集中出来て売上が伸ばせるし運営人時量も大幅に圧縮出来る。
 陳列をサンプル品に限定して店内ストックと分離するショールーム陳列は靴や家電、ラグジュアリーブランドでは一般化しつつあるが、後方にストックを積み上げては在庫や物流費、人件費の圧縮には繋がらない。大枚かけて「セルフレジ」や「支払いセルフレジ」を試行錯誤するより、販売と在庫・物流を抜本的に分離するオムニチャネルなショールーム販売システムを開発する方が余程、コスト削減効果が大きいのではないか。
 ショールーム販売システムは店舗運営コストをEC並みに圧縮する21世紀の流通革命であり、VMDも店舗環境も格段にスマートになってブランディング効果も期待出来る。インフレに転じて店舗運営コストがジリジリと上昇する今、ショールーム陳列とショールーム販売システムは不可避の経営課題となったのではないか。
 2014/09/26 09:45  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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