« 前へ | Main | 次へ »
顧客は防衛する
 忙しさにかまけて時は過ぎ、ようやく伊勢丹本店メンズ館のバーゲンを覗いたが、既に夏休みモードで閑散としており、目星い品はあらかた片付いてサイズも切れ、売場は最終処分体制に再編集されていた。
 目当てのファクトリーパーツブランドのパンツはブランド別のラックが解体されて場所もエスカレーターの反対側に移動され、スリーブアウトでサイズ別に再編集されていた。サイズ切れが酷くなる末期はサイズ別に編集した方がお客様も選び易く、買上率も上がって処分が進む。かつては常識的な再編集手法だったが、退化が著しく現場が幼稚園化した百貨店業界では久しぶりに見る‘現物’だった。ちなみに、同じファクトリーパーツブランドをセール中の某百貨店の自主編集売場ではセール末期にも拘らず品番別に畳み置きしていたから、伊勢丹の売場運営力はやはり突出しているのだろう。
 ブランド別の売場を解体してサイズ別やカラー別に再編集出来るのは買い取っているからと推察されるが、「PT01」や「INCOTEX 」って伊勢丹は買い取ってたっけ? せっかくサイズ別にスリーブアウトしているのにカラー順が出鱈目だったのは残念。朝一だったから整理されているはずで、お客様が崩したとも思えなかった。
 誉めたり貶したりになるが、ここまでバーゲン時期を後ろ倒しするのは顧客の季節行動から見ても無理が在る。海の日直前の週中からのスタートではバカンスの準備と重なるし週末はリゾートに出掛ける方が優先だ。パリ市のソルドが6月最終週の水曜日からと条例で定められているのも、バカンスに出掛ける市民の便宜を考慮しているからだと思う。
 ちなみに、当家のバーゲンハンティングはシークレットセールが一巡した後は混雑する都心のデパートを避け、爽やかな空気の中でゆったり買える避暑地のアウトレットに割り切っている。ラグジュアリーブランドは売場もサービスもプロパー直営店と変わらないし(保証書も付く)、最新モデルに拘らなければ(今期モデルも訳有りの掘り出し物が見つかる事がある)割引率も百貨店のバーゲンより断然高いから、お買い得感はひとしおだ。
 アウトレット専用開発商品が大半を占める要注意ブランド(「COACH」「TUMI」「GAP」・・・・)を避ければ騙された感もないし、ラグジュアリーブランドはハガキやメールで新入荷も教えてくれるから、プロパーの店頭に精通している顧客は上手に使い分けている。ファクトリーパーツブランドなんて定番ばかりで最新モデルに拘る意味も無いから、インポーター直営のアウトレットが出来ないものかと期待してしまう。
 利益追求でバーゲン時期を遅らせる業界には鼻白むが、顧客にはアウトレットモールやバーゲンサイトといった選択肢も在る事を知るべきだ。業界は消費増税による売上減少も喉元過ぎたと安堵しているようだが、円安が本格的に売価を押し上げ消費増税が身に凍みる今秋冬、消費者がどんな防衛行動を採るか舐めない方が良いと思う。
 2014/07/28 09:20  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ