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外資SPAの安過ぎる家賃
 外資SPAが郊外SCにまで大量出店する中、かつて90年代の百貨店業界で起こったと同じ内外格差が切実な問題となりつつある。
 外資SPAは商業施設への出店条件が極めてシビアで、かろうじて漏れ伝わるところに拠る限り(契約内容や売上情報の守秘を契約書で義務づけている)、有力SPAなど家賃から共益費・販促費などオール込みの歩率一本で8%前後の攻防のようだ。当社の調査に拠る国内チェーンの平均は17.5%だから、その半分以下という事になる。「ユニクロ」もそんなものだと聞くから、グローバル勢の常識なのだろう。集客の目玉にしたい以上、そんな条件になるのもやむを得ず、空き区画が目立つ負けSCが起死回生を図って導入する場合など、歩率がさらに切り下げられるのに加えて半年間は家賃ゼロなどのおまけまで付く。
 売上が伴う限り、それも致し方ないだろうが、漏れ伝わる郊外SCでの販売効率は到底、そんな歩率では割りが合わないものだ。郊外SCでもコンスタントに三十数万円の月坪効率を稼ぐ「ユニクロ」はともかく、ファストな外資SPAはその半分程度だと聞く。
 問題は、外資SPAの法外な条件を飲む分、デベとしては全体の採算を確保すべく国内テナントの家賃にしわ寄せせざるを得ず、外資SPAの導入が増えるに連れジリジリと家賃条件が高騰している事だ。
 90年代の百貨店業界でも同様な外優内搾が進み、外資ラグジュアリーブランドが法外な優遇条件で売場を拡大する一方、国内ブランドは歩率の高騰と売場の圧縮に苦しんだ。スーパーブランドともなれば8〜10%の攻防に坪当たり200万円近い内装費の負担まで加わるが、月坪200万円以上の売上が確実に稼げるのだから何とか元は取れる。それに較べれば、外資SPAの販売効率は法外な優遇条件に到底、見合わない。
 目玉テナントが喉から手が出るほど欲しいデベにとっては交渉の余地もないのだろうが、販売効率の裏付けを欠く外資SPAを優遇する分、国内テナントの家賃に上乗せするのは如何なものかと思う。国内勢でも「ユニクロ」のように外資SPA並みの優遇条件を勝ち取っている者もあるのだから、販売効率を稼ぐ魅力的な業態を開発するのが先決だというご指摘ももっともだが、やはり腹に据えかねるものがある。
 外資SPAにとっては日本は笑いが止まらないほど美味しい市場だが、それを許している国内テナント企業の不勉強と不甲斐なさには怒りを通り越して悲しくなるし、不公平に目を瞑るデベの不見識にも失望を隠せない(ルミネなどJR系デベは外資を特別優遇していないのはご立派)。戦後70年にして未だ我が国は欧米の占領下に在るのだろうか。
 2014/06/25 09:15  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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