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クロスマーチャンダイジングの奔流
 「クロスマーチャンダイジング」はVMD手法のひとつで、スパゲティの棚にパスタソースを並べたりスニーカーの中にソックスを入れたりして関連購買を訴求するのは今や常識となった感があるが、ここで取り上げたいのは業種の枠を超えたカテゴリーロビングのお話だ。
 けさの繊研新聞はアクセサリーSPAのミルクが「エテ」ブランドのイヤ・アクセサリーをユナイテッドアローズのOL向けシューズセレクトSPA「オデット・エ・オディール」に置いて協業する事を伝えていたが、そんなクロスマーチャンダイジングが近年、急増している事に注目すべきだ。既にアパレル店のシューズやソックスの取り扱いは当たり前になり、今年のスニーカーブームが火に油を注いだ感があるが、シューズ店とて指を食わえて見ているはずもなく、ABCマートは服飾雑貨やアパレルも加えた新業態「シャルロット」の多店化に乗り出している。
 「チュチュアンナ」は婦人下着に加えてレッグウェアやルームウェア、服飾雑貨まで展開しているし、大手セレクトショップの多くは服飾雑貨比率が3割前後を占める。ストレッチパンツの「Bスリー」では靴の売上が二割近いとも聞く。考えてみれば、婦人下着とレッグウェアやルームウェア、パンツと靴やレッグウェアは購買関連性が強く、一緒に扱う方が自然とさえ思える。
 これまで「業種」の観念に囚われて来た業界だが、Eコマースの拡大やライフスタイル業態の台頭で関連購買の慣習が一般化して来た事が背景にあるのだろう。関連購買のチャンスを狙ってクロスマーチャンダイジングはますます広がるに違いないが、カテゴリーによっては特有の提供方法や購買慣習があり、新たなカテゴリーを取り入れるには注意が必要だ。
 アパレルでは他人が試着した商品も販売するが下着ではタブーだし(採寸フィッティング技術が問われる)、化粧品ではシンクの設置が望ましい。ライフスタイル業態流行で様々なカテゴリーを取り扱うストアが増えているが、カテゴリー特有の提供方法を軽視しては見せるだけの在庫になりかねない。カテゴリーロビングとライフスタイル業態の成功にはカテゴリー特有の「提供方法」研究が不可欠なのではないか。
 2014/05/26 10:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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