« 前へ | Main | 次へ »
15年危機の結末は?
 昨日の日経朝刊は『バーバリー 日本を直営に』と見出して英国バーバリー社が三陽商会とのライセンス契約を15年6月末で打ち切る方針である事を報じ、三陽商会の株価は急落した。15年危機は業界では既に広く知られており、12年11月22日号の「週間ダイヤモンド」は『バーバリー関連は三陽商会の売上の半分、利益は大半を占めており、人件費を削らないと5年で債務超過に陥る』とまで詳しく報じ、13年1月に募集した230人の希望退職に従業員の15%にあたる270人が応募するに至って、15年6月末の契約打ち切りは既定路線と見られていたから、今回の報道で今更株価が急落するというのも不思議な感じがした。
 三陽商会も様々な手を打っては来たが、自社開発の百貨店ブランドは伸び悩み、駅ビル/SC進出もEコマースも試行錯誤し、バーバリーに代わる事を期待してライセンス契約したマッキントッシュ関連も好調とは言え売上規模が限られるから、15年危機が現実となれば最悪のシナリオとなりかねない。
 カネボウは97年のディオールの契約打ち切りを契機に業績が急落して07年6月の会社解散決議に至るという悲劇となったが、ほぼ同時期(98年末)に独アディダスのライセンス契約を打ち切られたデサントは自社ブランドを拡充して業績を立て直した。契約打ち切り当時、ディオールは500億円、アディダスは400億円近くを売り上げ、契約打ち切り通告も寝耳に水だったが、バーバリーの契約打ち切りは09年に20年契約を15年に短縮された時点で予想されていた。
 三陽商会は国内縫製、とりわけバーバリー製品は国内自社工場縫製にこだわって大手アパレルでも突出した品質が評価され、15年危機の噂を聞きつけた中国人富裕層が三陽商会製バーバリーコートを買い漁るという現象さえ見られるが、三陽商会がその高品質神話を自社ブランドの開発と拡販に活かして来たとは言い難い。バーバリーの契約打ち切りがカネボウ型の悲劇となるかデサント型の復活劇となるか、経営者の力量が問われる最終局面が迫っている。
 2014/04/25 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

コメントする
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


« 前へ | Main | 次へ »


ブログ内検索
Web 検索
プロフィール
小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

リンク集
更新順ブログ一覧
最新記事

http://apalog.com/kojima/index1_0.rdf
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード
月別アーカイブ