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賞味期限とバーゲン時期
 食品業界は賞味期限に厳しく、賞味期限の三分の一を過ぎると小売店に納品出来なくなり、三分の二を過ぎると返品されてしまうという商慣行(三分の一ルール)があった。それが膨大な食品廃棄の一因と指摘され、業界の機運と行政指導が重なって昨年からようやく是正が始まった。
 我らファッション業界の賞味期限はその性格上、実に様々で、一ヶ月から数年と極端な巾が在る。最も長いのがラグジュアリーブランドの定番バッグ/シューズや時計/宝飾品で、廃番になるまで定価を維持する事もある。さすがに衣料品はワンシーズン限りのようだが、店頭では上顧客向けのシークレットセールを除いて値引きせず、アウトレットに回すシステムが一般的だ。
 そんな雲の上の話は別として、一般のブランドでは半年以上前から開発する自社企画・自社生産品が最も長く(三陽商会のコートはその好例)、自社企画開発・外部生産品、自社企画・外部開発生産品(所謂OEM)の順に短くなり、売れ筋後追いのOEM品やODM品(外部企画開発生産品)が最も短い。手間隙かけて自分で開発した商品ほど付加価値が乗って賞味期限が長く、外部委託して手速く開発した商品ほど付加価値が薄く賞味期限も短いというのが実情で、バーゲン時期もそれにスライドする。
 ファストファッション店やODMで売れ筋を後追う継ぎ接ぎMD店は賞味期限が短いから始終セールを繰り広げ期末バーゲンも先行するが、自社開発型の店やブランドは賞味期限が長いから期中セールが無く期末バーゲンも最後発になる。インポートブランドやクリエーターブランドの多い館ならともかく、ファストなテナントの多いOL向けの駅ビルなど期末バーゲンは一番乗りが相応しく、無理に遅らせば明ら様なフライング/シークレットセールが氾濫するだけだ。
 近年の業界は実情も真理も無視して黒い物も白いと強引に言わせるご無体なお達しが横行しているが、北朝鮮や中国ではないのだからいい加減に止めてもらいたい。
 2014/03/25 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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