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矛盾する要求
 昨日(29日)の新聞各紙にそごう・西武の50代カップル向け新SPAブランドの記事が載っていたが、従来の外部(アパレルメーカーや企画会社)依存を脱して新規採用の専門人材中心に社内プロジェクトで運営するのは一歩前進と評価されるものの、工場直の自社開発を謳う一方で二週サイクルの新商品投入を謳うのはあまりにも無理がある。二週サイクルの商品開発はODM業者依存でないと不可能だし、ファストファッション好みの若い人向けならともかく、成熟した50代カップル向けとなればそれなりの完成度と品質感も求められるから、短サイクル開発のODM商品では通用しない。
 そんな事は業界の常識だが、社内の様々な要求に応えるうちに企画書上であれもこれもと矛盾する要件が重なって行ったのか、それとも‘業界の常識’を打ち破る画期的な開発手法を見出したのか、どちらかなのだろう。後者なら良いのだが、企画チームも開発チームも織田鉄砲隊方式に多重配置しないと遂行は不可能だから、短期で数百店を布陣する壮大なプロジェクトなのかも知れない。百貨店のPBプロジェクトでそんな多店舗展開は非現実的だから、イトーヨーカ堂でも展開するのだろうか。
 もし前者だとすれば、無理な公約を果たすべくプロジェクトメンバーは過労死寸前の人海戦術に走らざるを得なくなるが、そんな事は続かないから、結局はペースダウンするかアウトソーシングに流れる事になる。万一、無理を通せたにしても、二週間サイクルで投入しても年に24回も回転するはずもないから(H&Mでも3.29回転しかしていない)、残品の山が積み上がってプロジェクトは破綻してしまう。せっかくのチャレンジなのだから、虻蜂取らずにならぬよう、早めに矛盾する要求を整理して実現可能なシナリオに着地させるべきだと思う。
 2014/01/30 09:54  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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