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「Gattaca」と「Solaris」
 『14年秋冬MDディレクション』の製作がようやく完了してクリスマス休暇明けからのクライアント向け解説を待つだけになったが、強く印象に残ったのは‘スカンディナビアン・モダン’と‘パラレル・ワールド’だった。週末に持ち帰って総点検も終わり、一息ついた日曜の夕刻、久しぶりに「ガタカ」を鑑賞した。
 「ガタカ」は97年製作の米国SF映画。未来の遺伝子カースト社会で神の子(遺伝子未操作児)が宇宙飛行士への夢を他人のDNAを買ってまで実現するというストーリーで、NASAが‘最もリアリティのあるSF映画’に選んだ事でも知られている。主人公を演ずるイーサン・ホークや相方のジュード・ロウの渋いダンディぶりも良かったが、恋人役を演じたユマ・サーマン(キル・ビルでも知られる身長181cmのスーパーモデル女優)の怯えたような凛々しさも忘れ難い。
 ガタカ社屋にフランク・ロイド・ライトのフューチャーモダンな傑作(シスコ近郊のマリン郡庁舎)を配したセンスも抜群だが、何より美しかったのがヤン・ロルフスによるレトロ・フューチャーな映像美だ。ハイパーモダンな金属モジュールをセピアな光で鈍く映したり、一瞬とは言えアールデコ的装飾性さえ覗かせる繊細さは、ジュラルミンをわざとらしく錆び付けて見せるお子様相手のお伽噺SF映画とは次元が違う。
 レトロ・フューチャーな映像美と心に残る思索性は「惑星ソラリス」(72年製作の旧ソ連映画)にも通ずるところが在る。未知の惑星の思索する海が人の精神に潜む悲しみの記憶を実体化して送り込むという、ポーランドのSF作家スタニスワス・レムの難解な原作をアンドレイ・タルコフスキー監督がさらに難解にした名作で、その02年リメイクの米国映画「ソラリス」も同様、何度鑑賞しても惹き込まれてしまうのはレクイエムに通ずる何かがあるのだろう。
 来秋冬企画へ向け、クリエイターはピンタレストを駆使してハイパーモダンとレトロ・フューチャー、北欧メルヘンとスチーム・パンクをパラレル・ワールドに彷徨ってみてもよいのでは。
 2013/12/26 11:07  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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