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限りなく白に近いグレー?
 ブラック企業との噂に対して某大手SPA企業のトップが『我々は限りなく白に近いグレーだ』と発言していたが、『我々は真っ白だ』と言い切れない中途半端さに革新性を失いつつ在るその企業の限界を感じた。
 『真っ白だ』と言い切れない背景は、その企業が創業以来のコンセプトのひとつである「ウエアハウス」という古典的な倉庫型陳列方式を引き摺っているため、店舗要員が過大な店内物流業務を強いられる事、入店客数や売上、納品量やキャンペーンなどに合わせてレイバーコントロールを組み人員を運用する店長や副店長の労務負担が大きい事が指摘される。オムニチャネル時代に突入した今日、『何時でも何処でも選んで買って受け取れる』顧客便宜が競われ、生産地から顧客に手渡されるまで最もスピーディーでローコストなプロセスが問われる中、前世紀のチェーンストア物流に拘るのはもはや非現実的で化石的とさえ言いたくなる。
 オムニチャネル消費に対するモルタル小売業のひとつの回答が「戦略的ショールーム化」であり、「アップルストア」はその最先端に位置づけられる。「アップルストア」ではお試しサンプルしか陳列しないから店内物流業務は極小化され、店舗要員は専門的アドバイスに集中出来る。最新の専門技術に通じたプロフェッショナルによる接客が顧客を捉え、「ルイ・ヴィトン」並みの超高販売効率を実現している事に流通業界はもっと注目すべきだ。
 物流センター要員より格段に時給が高い?店頭販売員に過大な物流業務を強いるのは合理的ではないし、接客スキルがあるのに物流労働ばかり強いられては意欲も損なわれてしまう。労務管理体制はともかく労働の人間性という視点から見れば、「アップルストア」と較べてもなお、某大手SPA企業のトップは『我々は限りなく白に近いグレーだ』と言い切れるのだろうか。「Apple」と並ぶグローバルブランドを夢見るのなら、同社に匹敵する革新性と人間性が問われるのではないか。
 2013/12/24 10:53  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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