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化石か遺跡かバラックか
 昨日のブログ『提供方法の革新がない』で『「ユニクロ」など化石的な不合理に満ちている』と指摘したが、それなら商業施設の大半を占める継ぎ接ぎMDの店など‘化石’どころではあるまい。「ユニクロ」を‘遺跡’に格上げして継ぎ接ぎMD店を‘化石’あるいは‘バラック’と呼ぶのが妥当なのかも知れないが所詮、言葉の遊びでしかない。
 ほとんどの店はMDが流動的ゆえ陳列フェイスが継ぎ接ぎでMD編成が確立されず、VMDや販売手法などの提供方法も独自性が無く、顧客の購買慣習も固まらずブランディングもほど遠い。そんな中、「GAP」など欧米SPAをキャッチアップして来た「ユニクロ」はMD編成が計画的でフェイスもきちんと設計されており、前世紀に欧米SPAで確立されたノウハウのほとんどを吸収した‘グローバル水準’と評価される。それでも‘化石’とか‘遺跡’とか言いたくなるのは2010年以降のオムニチャネル革命には明らかに立ち後れているからだ。
 確かに「ユニクロ」はEコマースを始めたのも00年10月と極めて早かったし、SNSなどウェブ活用のプロモーションも逸早くリードして国際的な広告賞なども獲得し、各国への出店に先行したローカルブランディングにも効率的に役立てて来た。最新の13年8月期決算における国内「ユニクロ」のEC売上も242.4億円と突出しているが、国内総売上に対する比率は3.5%と停滞しており、店頭販売もECと連動しておらず、オムニチャネル戦略に積極的とは見えない。
 オムニチャネル戦略の根幹は『顧客利便と提供方法(=購買方法)の効率化を表裏一体に実店舗やウェブ店舗を隔てなく使ってもらい顧客を囲い込む』というものだが、Eコマースの利便性に加えてスマホによるローカル化がオムニ双方向化(ショールーミングとウェブルーミング)を加速する今日、店舗販売も『顧客利便と提供方法(=購買方法)の効率化』という変革が急がれる。生産地から顧客までの物流プロセスはもちろん、店頭VMDのパビリオン化とデジタル化、さらには決済方法のデジタル化など、化石化した店舗運営をオムニチャネルにアップデイトする必要を認識すべきだ。
 ‘化石’‘遺跡’‘バラック’が層を成すモルタル商業施設はこのままではオムニチャネル時代に置き去りにされてしまう。リテイラーもデベロッパーも変化を直視して未来への変身を急ぐべきではないか。
 2013/11/28 11:12  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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