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イノベーションのジレンマ
 一週間ほど前の日経の読書欄に面白い経営論が紹介されていた。クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」がそれで、『絶えざる商品開発の結果、製品が高機能になりすぎて多くの顧客が使いこなせなくなり、機能を限定した使い易くて安価な商品がマーケットを奪って行く』というものだ。書評を書いた専修大学教授の徳田賢二氏は『パソコン→スマホやタブレット』と例示していたが、私には『iPhone→低価格低機能アジアンスマホ』と受け取れたし、業界人としては『ブランドファッション→ファストファッション』と受け取れてしまう。
 実際、凝ったデザインやパターンの服を着こなせる人は限られるし、縫製仕様や素材の混率など玄人でないと(最近は玄人も怪しいが)解らない。一般の人にとっては、ほつれたり破れたり色落ちでもしない限り実用上は問題ないのだから、ブランド商品の多くは過剰機能・過剰品質の部類に入るのかも知れない。そんな視点に立てば、「ユニクロ」が品質と価格のデフェクトスタンダードとなったのも「H&M」がトレンドリーダーとなったのも必然と言えよう。
 文明論的には‘退化’であってもマーケット論的には‘必然’であり、経営論的には「イノベーションのジレンマ」あるいは「小売の環」(より低コスト低価格な事業者に世代交代して行く)と総括される。加えて、「ユニクロVS.しまむら」が何時の間にか「ユニクロVS.H&M」に変ってしまったグローバル化の現実も直視すべきであろう。
 2013/09/13 12:52  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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