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リアリティを欠く商業施設開発
 今朝のWWDジャパンで編集委員の三浦彰氏が近年開業の阪急メンズ東京、ルミネ有楽町店、東急プラザ表参道原宿、ダイバーシティ、東京ソラマチ、JR大阪三越伊勢丹、グランフロント大阪、いずれも予想売上(予算?)を下回っているとして、慎重な判断や中止する勇気が必要と提言していたが、これらの商業施設はいずれも足下商圏が見えない超広域型で流動客に依存する点が共通している。それなら直近開業のみなとみらいマークイズも加えるべきであろう。
 足下商圏が見えないということは衣食住サのバランスも客単価も読めない訳で、ほとんど博打に近い。数十億数百億を投資する事業としてはリスクが大き過ぎる。ましてや、いずれも需要が激減して必然性の疑わしい衣料品や服飾品に大半の面積を割いており、著しく科学的統計的検証を欠いている。これでは事業ではなく水商売か博打でしかない。
 優秀な人材が集中しテナント/ブランド集めも有利なはずの一流企業が手掛けたこれら注目施設が悉く苦戦している要因は、科学的統計的に検証して足下商圏の実需を漏らす事なく取り込むという商業施設開発の基本を軽視した事に尽きる。足下商圏は近隣に生活する居住者や通勤通学者を中核に、各種アクセス手段で来店し易い周辺顧客まで想定するもので、衣食住サのカテゴリー別需要は厳密に計算出来る。カテゴリー別の需要と確保可能な占拠率から必要な業種業態テナントのバラエティと売場面積は科学的に算出出来るのに、上記の施設を見る限り、それら科学的検証を積み上げた構成にはほど遠い。まさか商業施設開発をクリエイションと勘違いしているのではあるまいか。
 商業施設開発にせよ業態/ブランド開発にせよ、この業界ではクリエイションやマジックが信奉されるあまり科学的手順が蔑ろにされている。科学的手順を欠くリアリティのない商業施設開発がどんな結果を招くか。いい加減に目を覚ますべきではないか。9月11日に開催する「商業施設開発/リモデル戦略ゼミ」では近年の成功例/失敗例を多数取り上げ、商圏分析から施設構成までの科学的検証手順をリアルに公開したい。翌12日にはその百貨店向けゼミを予定しているが、不勉強な百貨店人はまったくの無反応で開催出来そうもない。
 2013/08/26 16:08  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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