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駅ビルは産地のために在る?
 ルミネはバーゲンを遅らせる理由に国内産地振興を挙げているが、今や衣料品の国内生産比率は4%を切っており、ルミネに並ぶテナントの価格帯を考えれば国産品比率は1%あるかないかだから、ルミネがバーゲンを遅らせても産地振興に繋がるとは到底思えない。本気で国内産地振興を考えるなら、名産品コーナーを設けるより継続的なライン稼働を可能にするファクトリーダイレクトSPAの開発を啓蒙すべきと思うが、ルミネにも業界にもそんな気配は毛頭ない。
 ファクトリーダイレクトSPAは染色整理から製品化まで連続して生産ラインを稼働出来るMD展開が必要で、シャツやパンツ、ニットやジャージのシングルライナーが適しているが、通年の需要を喚起出来るスタイリング提案とシーズンMD展開、陳列フェイスを回して行くVMDとの連動を欠いては軌道に乗らない。幾つか存在するシングルライナー業態もメーカーズシャツ鎌倉(素材は使い切りだが)を除いてはファクトリーダイレクト性がなく、あっても生産ラインは国内ではない。
 最も理想に近いのは、アパレルではないが素材をほぼPVCワイヤーに限定したバッグのシングルライナー「アンテプリマ」だと思う。ニットでも糸から染色、編み立てと一貫する似たような仕掛けは十分に可能なはずだが、ブランド化して成功している事例は近年では国内外とも見られない(集中生産の卸型シングルライナーは存在する)。
 価格帯を考えれば国内産地振興に繋がるファクトリーダイレクト業態は多店舗展開の百貨店がオリジナルブランドとして手掛けるべきで、バーゲンを遅らせるより余程、産地振興に貢献出来るのではなかろうか。
 それにしても、ルミネはお客様のスマホによる商品スキャン(撮影)行為を禁止したり、産地振興のためにお客様の利便を損なってもバーゲンを遅らせるなど、お客様第一という商人道からの乖離が目立つ。まさか本当にお客様より産地が大切と思っているわけではなかろうが、バーゲンを遅らせる理由にこじつけるにも程が在ろう。
 ルミネは『駅ビルは産地のために在る』のではなく『店はお客様のために在る』事を商人として再認識すべきだと思う。
 2013/07/30 09:27  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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