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カジュアルストア開発の格差
 次々と新設される商業施設に並ぶ顔ぶれを見ていると、外資SPAの‘大箱’や‘大目玉’のLAライフスタイル系セレクトストアの一方、セレクトチェーンやカジュアルチェーンが競い合うに開発した‘中箱’のカジュアルストアが目立つが、開発初期に較べて格差が開いて来たように感じる。
 今更ニューファミリーでもないとは思うが、セレクトブランドとのコラボ企画などを鏤めたMDは薄味なカジュアルSPAとは一線を画した魅力があり、カジュアルチェーンがODMの寄せ集めで手がける類似ストアとは明らかに格が違う。カジュアルチェーン系のアパーポピュラー価格よりツーラインほど高いロワーモデレート価格にはなるが、その差を上回る価値が認められる。
 格差を感じる一番のポイントは多店化によるロット拡大が進化をもたらしているか否かだ。開発初期は店舗数が限られて流通素材によるODM衣料や問屋から掻き集めた雑貨ばかりになるのもやむを得ないが、2ダース3ダースと店数が揃って来ると開発素材によるOEM/ODMに移行し、有力ブランドとのコラボ企画も可能になる。はっきりと変貌するのが5ダースあたりからで、自社で企画開発スタッフを抱えても固定費を吸収出来るロットに近づくから、素材からの自社開発体制に順次、移行する事も可能だ。10ダースの店舗展開に至れば開発固定費負担は格段に軽くなって自社企画開発体制に移行し切れるし、衣料品よりロットの大きい生活雑貨やHBCもODMが可能になって衣料品に遜色ない値入れを確保出来るようになる。
 このプロセスは商品開発上は「可能」だが多店舗間在庫運用やVMD運用の技術革新による回転消化が伴わないと頓挫してしまうし、何より経営者が手早く市況対応が可能なODMから抜け出す‘志’を持つか否かが大きい。セレクトチェーンやカジュアルチェーンが開発するカジュアルストアの‘格差’とは、このプロセスにおける技術革新と‘経営意志’の現れなのだろう。

 2013/06/24 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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