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歴史認識?を問う
 なんて言っても隣国の女性大統領の発言ではない。もちろん、我らファッション業界のお話だ。バーゲン時期分散はこの夏も尾を引いて「三度目の正直」が問われているが、実態は大手NBの孤立になりそうだ。
 バーゲン後倒し派の急先鋒たるルミネはフライングを厳重に取り締まる方針をテナントに通達したそうだが、元より駅ビルにはODM型/OEM型/自社開発型の3タイプのアパレルテナントが混在しており、ODM型は既に実質セールに突入、OEM型は6月末から、自社開発型は7月半ばからセールに入るのが実勢だ。館のバーゲン時期に拘らず実勢は三段階で進んで行くから、下手に取り締まればセールの盛り上がりに水を差すだけなのではないか。
 伊勢丹にすればアパレルの主力はもはや自社開発の海外ブランドやクリエイターブランド、東京セレクトブランドだからセール後倒しも論拠が無い訳ではないが、OEM見え見えのOLブランドやクリエイティブとは言えない大手NBまで後倒しに相乗りするのは違和感がある。NB比率の高いコンサバな百貨店が先行してセールに入る中、一部大手NBがセールにならないというのは消費者の反発を招きかねない。『いったい何様のつもり!』というブーイングが聞こえて来そうだ。
 百貨店NBは90年代中期の歩率切り下げで価格と品質のバランスを崩して客離れを招いたという歴史を忘れ、今度はセール後倒しで顧客の離反を招くという過ちを犯しつつある。NBが百貨店の主役であった良き時代ならともかく、海外ブランドやクリエイターブランド、駅ビル系ブランドが跋扈してNBが主導権を失った今日、セール後倒しは顧客の離反を招いて自らの首を絞めるだけではなかろうか。‘歴史認識’どころか‘現状認識’も疑われる。
 テナント貸しの駅ビルにせよ消化仕入れの百貨店にせよ、商法では価格決定権は商品を所有するテナント/ブランド側に在り、館側はバーゲン時期を強制する法的根拠を持たない。バーゲン時期の統一は顧客の支持と相互利益があってこそ成り立つものであり、テナント/ブランド側の営業政策がタイプ別に異なる以上、段階的な開催が実勢とならざるを得ない。その中で、テナント/ブランドは館に振り回されない独自の営業政策とブランディングを貫くべきだし、館側はそれを無理にねじ曲げない範囲で競争優位なバーゲン戦略を仕掛けるべきだ。
 バーゲン時期の混乱は消費に水を差す愚行であり、‘歴史認識’と‘現状認識’の上に聡明な収拾を図ってもらいたい。
 2013/06/21 09:59  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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