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テナント対館のオムニチャネル合戦
 スマホの普及も加わって急拡大するファッションECだが、館の対応はどうなっているのだろうか。衣料品・身の回り品のEC売上が6200億円(13年3月期推計)、EC化率も4.4%に達し、EC化率が二桁に乗るブランドも急増する中、ECサイトに売上が流れる百貨店や駅ビル、ファッションビルやSCは黙って指をくわえているだけなのだろうか。
 積極的にO2Oを行っている何社かにヒアリングしたところ、店頭でのO2O活動(ウェブサイトへの送客)に対して駅ビル/ファッションビル、SCデベは今のところ寛容だが、百貨店は原則禁止が大半だとか。ECモールを展開しているルミネやパルコも容認しており、EC送客をデベのモールサイトに限らせる訳でもない(そもそも、そんなシステムを構築していない)。
 米国の百貨店は買取だから何処も自社のオムニチャネル(E[パソコン]/M[スマホ]/T[TV])に誘導する独自アプリを活用しており、ショールーミングは意識していない。同一商品の価格が競われる家電やコモディティNBはともかく、販路が限定されるファッションブランド商品ではO2Oは広がってもショールーミングは例外的で、家電店などで見られるバーコードをスキャンするショールーミング行為は百貨店やファッションストアでは見られないそうだ。
 日本でもショールーミングアプリを取り込んだスマホで店頭のバーコードをスキャンすると解るが、価格比較サイトに安売り店が有料で登録した流通NBしか表示されない。試しに様々なファッションブランド店でバーコードをスキャンしてみたが、まったく表示されなかった。それは著名SPAやセレクトショップも同様で、米国で見られるようなバーコードから商品サイトにリンクするアプリは未だ投入されていないようだ。
 とは言ってもユニクロやユナイテッドアローズは機能は限られるものの顧客コミュニケーション型のオムニチャネル?アプリを導入して顧客の囲い込みを図っており、館側のオムニチャネル対応は大きく遅れている。このままテナントのO2Oが広がれば館の売上機会損失は無視し難いものになり、営業の主導権も失いかねない。
 百貨店や商業施設デベはテナントのO2Oを制限するのではなく、自らもオムニチャネル戦略を構築して専用アプリで自社モールサイトと相互に送客し顧客を囲い込むべきだ。日本のファッション業界もEC売上を競う段階からオムニチャネル戦略で顧客囲い込みを競う段階に入ったのではないか。
 2013/03/28 09:05  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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