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商圏特性のい・ろ・は
 昨日のブログで「新興サバブ」「成熟サバブ」とか「アーバン」と書いたら、意味が解らなかった方も多かったようなので、商圏特性の基本を解説しておきたい。
 郊外住宅地の開発初期は原野を切り開いて画一的な一戸建てや公営住宅が並ぶ「新興サバブ」で、幼い子供がいる核家族ニューファミリーが主体となるが、開発から20年以上が過ぎれば初期入居世代は高齢化して子供達も独立し、やがて相続もからんでアパートやマンションに建て替わっていく。そんな段階が「成熟サバブ」で、若年世代は親と同居する定着二世とアパートに住む流動的な若者に二極化していく。さらに成熟が進めばマンションが立ち並ぶ「再開発期アーバン」に移行し、新たに入居した流動的なニューファミリー/ニューカップルや単身の若者が急増し、古くから定着している老齢層は次第に少数派になっていく。
 開発初期ほど核家族比率も定着性も高いが、成熟とともに子供が巣立った老齢カップルやアパート暮らしの若者が増えていき、マンションが林立する再開発期になれば新たな若年カップルやニューファミリーが流入して流動性が強まって行く。一般に住宅地が成熟するにつれて所得水準も消費余力も上昇するが、再開発期になって流動性の若年世代が増えて行くと、所得水準も消費余力も再び低下する。
 単価の高い百貨店が成立するには、定着三世代ファミリーが主力となる「成熟サバブ」が後背商圏に広がる必要がある。住宅ローンを背負って消費余力に乏しい「新興サバブ」ではもちろん成り立たないし、「再開発期アーバン」でも高級住宅地が成熟して高級分譲マンションが立ち並ぶケースを除いて成立が難しい。工場と住宅が混在するような地域では、「再開発期アーバン」となってもアパートや賃貸コーポが犇めいて所得水準が低位に留まり、百貨店の後背商圏とはなり得ない。
 このような商圏の特性は当社が使っているような高価な商圏分析ソフトを使わなくても都市計画図の用途指定を一覧すれば解るし、googleやyahooのマップや航空写真を見れば誰でも想像がつく。商業施設の開発やリモデルの基本となるもので、単純な円形商圏ではなく電車や車のアクセス環境や地形から子細に検証すべきだが、現実にはびっくりするほど大雑把な検証で済まされる事もあり、デベにもテナントにも悲惨な結果を招くケースが後を絶たない。商業施設開発にあたる方々の職業的誠意と技術的研鑽を祈るしかないのだろう。
 2013/02/27 09:22  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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