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成熟するSCとミスマッチ
 長らくSC関連の仕事をしていると、時間を経て同じSC絡みの仕事が廻って来る事がある。開業前の開発企画やテナントミックス、売上予測に始まって、定期借家契約満了にともなうリモデル企画、受益権や土地建物の買収に関わる営業ポテンシャル評価、果ては建て替えに伴う再開発企画まで、幾度も関わるSCがあるが、ご縁があると言うのだろう。そんなSCに共通しているのが地域のコミュニティや消費文化の中核となっている「名門SC」という性格だ。
 SCには時代の栄枯盛衰がつきものだが、そんな「名門SC」には周囲に新たな大型SCが出来ても離れない顧客層があって売上を下支えしている。問題はその顧客層の高齢化のようで、シニア化する顧客層に替わる子世代(と言っても40〜50代)や孫世代(と言っても20代)の取り込みがなかなか進まない。そのひとつの理由が定着二世三世が求めるライフスタイルと品質感を満たすテナント(特にアパレルと飲食)が限られる事だ。
 開発期サバブに位置する新参SCならともかく、開発から久しく世代交代が進みマンションやアパートが建ってアーバン化し始めた成熟サバブの「名門SC」に求められるライフスタイルと品質感は百貨店水準のようで、百貨店の郊外SC進出が頓挫した今となっては専門店が満たす他はない。にもかかわらず、そんな専門店は一握りしか存在しないのだ。
 少子高齢化が進んで郊外圏が萎縮し、かつてのニュータウンが高齢過疎化する今日、もはや新興サバブなど幻想でしかない。なのに大手デベもテナントチェーンも未だその幻想を追っているのは尋常ならざるミスマッチではないか。大半のSCが開発から10年20年を経て商圏の成熟化が進んだ今日、業界は新興サバブとニューファミリーの幻想を脱して成熟市場向け業態の開発を急ぐべきだ。
 2013/02/26 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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