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千載一遇のチャンスと明暗
 日本百貨店協会の発表に拠ると1月度の全国百貨店売上は前年比0.2%増に留まった。特選雑貨を含む身の回り品が3.6%、宝飾品や美術品が6.8%も伸びたのに主力の衣料品が1.5%減と足を引っ張ったからだ。アベノミクス効果が株価に続いて特選雑貨や宝飾品、美術品に波及しだした一方、世界的なモード回帰と日本市場の脱「等身大」による画期的な買い替え需要が期待される衣料品が伸び悩んだ元凶はバーゲン時期分散にある事は疑いようもない。ここに至っても自説に固執するなら、伊勢丹やルミネはもはや業界に迷惑を振りまいて消費回復に水を差す「戦犯」と指摘されても致し方あるまい。
 本来なら在庫を積み上げて売上増を狙いたいところだが、セール分散による混乱で在庫を残す不安を拭えないアパレル業界は腰が引けていた。冬バーゲンまではともかく、本格的な売上増が期待される今春夏商戦まで弱気で対応しては千載一遇のチャンスに乗り損ねてしまう。業界には強気で在庫を積み、華のあるモードブランドなど新ブランド/業態開発を加速する事を望みたい。
 華のあるモードブランドや高額品に追い風が吹く一方、「等身大」ブランドの凋落は悲惨を極める事になろう。民主党政権下の貧乏共和社会で繁殖した「等身大」ブランドは逆風下で様々に転身を模索しているようだが、動かなくても動き過ぎても売上の低迷は避けられない。既存顧客と新規顧客、ナチュ可愛とモードのバランスをデリケートに見極める必要があるが、勘と度胸の粗っぽいマーケティングでは空振りが続いてしまう。ブランド別の売上動向を子細に検証してテイストのミキシングと面合わせ、フィットをデリケートに変化させ、顧客の反応を慎重に見極めて転身していくしかないが、果たして経営者や社内にそれだけの感性と体制はあるのだろうか。このままでは打つ手も無く凋落して行くブランドや企業が続出する事になりそうだ。
 2013/02/20 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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