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伊勢丹とルミネの新旧明暗
 月例の『販売データ交換会』を控えて春物立ち上げのスタイリング動向を確認すべく新宿渋谷の主要商業施設を一巡したが、バーゲン後倒しの影響か1月末になってもバーゲンを引き摺る売場が大半で、春物立ち上げは例年になく遅れていた。一番酷かったのはODM商品が大半を占める渋谷109とルミネエストで、ウインドウさえ冬物のまま春物はワンラックツーラック程度の打ち出しに留まる店が多く、何処もシトラスカラーのニットと花柄のスリムクロプトパンツばかりで、まとめてH&Mに飲み込まれそうな危うさだった。
 そんな中、最新のモードスタイルに刷新された伊勢丹本館(まだ一部工事中)を見てからルミネに回ると、なんだか一昔前のローカルなファッションビルに見えてしまう。リモデルから間もないエストのB1やルミネ2の2Fはともかく、ルミネエストやルミネ2の上層階、ルミネ1は酷く古くさく見えてしまうのだ。
 なんでそう感じるかと言うと、低い天井のそこかしこに無粋な防煙垂れ壁が下がるモールは生暖かい旧式照明のままで、ナチュラルなウッド系内装の店舗が多い事もあって等身大なナチュラル感が色濃いからだ。00年代はそれが時代の気分だったのかも知れないが、アベノミックス景気が目前に迫り脱ガラパゴス脱等身大なモードシフトが急進する今の時代感は正反対を向いている。
 既に前回のリモデルで「加圧防排煙システム」を導入した伊勢丹本館は昇降導線区画を除いて防煙垂れ壁は皆無で、今回リモデルされた婦人服フロアはLED照明の多用(完全ではない)や柱巻き陳列の全面排除など斬新な試みも多く、世界でも最先端のモードスタイルに仕上がっている。そんな伊勢丹と較べると、どうしてもルミネは一昔前の「ファッションビル」に見えてしまうのだ。それは店舗環境に限らず、テナントミックスも同様だ。
 あまりにも00年代の「等身大」な時流に密着したルミネはこれからの時流とは大きく乖離して行くリスクを否めない。ルミネ有楽町店の予想外(私に取っては予想通りだが)の大苦戦、ルミネを踏襲した地方大都市駅ビルの伸び悩みなどを見るにつけ、業界はポスト・ルミネを模索すべき時が来たと思われる。

 2013/01/30 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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