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ルミネ有楽町店の通信簿
 昨年10月28日の開業から一年を経て早一ヶ月が過ぎたが、ルミネ有楽町店の初年度売上は未だ公表されていない。とは言え、テナントの声を聞けば開業当初の勢いからの陰りは否めず、初年度予算200億円は大幅未達だったと推察される。
 開業直後は押すな押すなの盛況で予算を上回るペースだったが、そんな勢いは年明けのセールまでで、以降は客足が引いて予算割れが日常化したようだ。その要因は、開業直後に私が指摘したように、
1)サプライズのない等身大に過ぎるテナント構成。
2)本館と切り離して大型テナントで埋めた別館の構成。
3)エスカレーターの位置が切り替わる本館中層階のゾーニング戦略の欠如。
などであったが、その本質的敗因は以下の二点に尽きよう。
4)等身大に徹したテナント構成ゆえ京浜東北有楽町商圏に留まり、立地と家賃に見合う広域銀座商圏が取れなかった。
5)決定から開業までの期間が極端に短く、戦略やテナント構成を詰め切れないまま稚拙な構成になってしまった。
 如何にルミネが駅ビルの覇者と言えども、戦略を検証しテナント構成を詰める時間を欠いては勝算はなかったのではないか。加えて、駅ビルとは異なって大家との融通が効かず家賃も法外に高い商業物件に手を出した事自体、JR流通グループの『駅利用客への利便提供』という土俵を逸脱したハイリスク行為との指摘も免れない。ましてや、その事業で損失を出して国有鉄道から継承した国民の財産を損なうとしたら経営責任は重大だ。
 ほんの一年で夏バーゲン時期を4週間も前後してテナント企業を振り回した事は寡占的地位の濫用であり、駅立地を出て高コストなマリオンビルに手を出した事は『国民の財産を継承して駅利用客に利便を提供する』というJR流通グループの社会的責務を逸脱している。ルミネは『駅利用客への利便提供』という原点に回帰し、寡占的地位を濫用して不要に民業を圧迫せず、国民の財産を消耗するような外部事業を戒め、広範な駅利用客に喜ばれる経営を心掛けて欲しい。
 2012/11/29 09:10  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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