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萌え上がる「アラモ」
 月例の『販売データ交換会』を週末に控えて店頭動向を確認しようと渋谷、新宿を一巡りしたが、先シーズンまで主流だったスウィート系やプリティ系がすっかり勢いを失ってモードパーツ系〜モードミックス系が氾濫し、秋のレディス新ブランドでも‘アラモ系’が断然、目立っていた。渋谷109など、秋の6新ショップ(雑貨除く)中、4ショップがアラモ系で7Fなど3ショップが集中し、‘アラモ’旋風を実感させられた。
 マークスタイラーの「エモダ」が火を付けた‘アラモ’(アラウンドモード)は昨年11月28日号のWWDジャパンが特集し、このブログでもその直後、11月30日に『‘アラモ’って何ですか?』と取り上げている。‘アラモ’はリーマンショック以降、急進した過度なスタイルのローカル化への反動と位置づけられるが、欧米コレクションのあからさまなコピーが氾濫して早、同質化が著しく、単品継ぎ接ぎMDを煽る状況になっているのは残念と言うしかない。
 そんな中、ほぼ一年振りに‘アラモ’を特集したWWDジャパンの記事で、「クーシオ」(恵山)の織部久美子プロデューサーが『近未来的建築要素を取り入れたリアルクローズなネオモードスタイル』と自らのデザインコンセプトを謳っていたのが印象的だった。そもそもモードとは平面な布から立体的な人体を包むコスチュームを創造する建築的行為だが、マーケットインなODMに堕したローカルな服作りには建築的創造性は到底見いだせない。
 すっかりガラパゴス化した日本のレディスマーケットがモード回帰して‘アラモ’スタイルが広がるのは、市場の鮮度回復という点でもアジア市場への浸透性という点でも歓迎すべき事なのだろうが、建築的服作りにはパターンを重視したインソーシングが不可欠だし(大半の‘アラモ’ブランドはパターンの建築性を欠いた平板なODM商品なのは残念だ)、MDの建築的構造性とシーズン展開のストーリーを欠いては単品継ぎ接ぎMDによる同質化を脱するのは難しい。‘アラモ’というモードスタイル回帰がグローバルに通用する建築的MD展開への回帰に繋がる事を祈るばかりだ。
 2012/09/25 09:16  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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