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ユニクロ不買運動?
 反日デモの最中、上海のあるユニクロ店舗の店頭に『尖閣列島は中国固有の領土』と短時間ながら張り出された事に反発して一部でユニクロ不買運動が叫ばれ、先週末には我が家の目と鼻の先にある柳井邸周辺にも右翼の街宣車が押し掛ける騒ぎになっているが、如何なものかと思う。
 この件に対するファーストリテイリング社の対応は冷静沈着なもので過剰なリアクションに走らず事実を淡々と釈明するに留め、緊急時の広報対応の見本とも言うべき適確さを示していた。『政治的論争には関わるべきでない』という同社の姿勢はしごく真っ当で、私はむしろ好感を持った。
 かつて軍国主義大日本帝国が侵略し暴虐の限りを尽くした中国や韓国の反日感情はささいな事から発火しがちで、とりわけ共産党一党独裁下で言論が厳しく統制されている中国では過激になりがちだ。そんな中国や韓国で日本企業が商売を拡げるのはカントリーリスクが避けられず、デリケートな対応が求められる。業界では我も我もと中国進出がブーム化しているが、果たしてそれだけの覚悟があっての進出なのだろうか。その意味でも、ファーストリテイリング社の今回の対応は高く評価されるべきであろう。
 大山町の柳井邸は大富豪にもかかわらず派手なパーティや多人数の出入りもなく、町内の例祭などにも出過ぎず応分の協力を惜しまない良き住民であり、その人格を疑うような話は聞いた事もない。今朝も出がけに玄関前を通ったら、今週末に催される町内の秋祭りの提灯が控えめに掲げられていた。
 私はユニクロのロードサイド時代から引き摺った洗練を欠く色彩感覚や金型で量産したプラスティック製品のような味わいのない商品がこれほどまで大衆化した事に違和感を否めず、根っからのファッション人間としてマーケットの退化を悲しんでいるのであって、ファーストリテイリング社や柳井正氏を嫌っている訳ではない。その良い所は良いとして評価し学ぶべきだとも思うが、あのナンセンスな色彩感覚だけはどうにかして欲しい。それが欧米市場での致命傷になるとしたら、ファーストリテイリング社は真摯な変革を急ぐべきであろう。
 ユニクロが膨大な投資にもかかわらず米国市場で苦戦する一方、カナダ発祥の色彩の美しい低価格フレンチモダンSPA「ジョー・フレッシュ」があれほど短期で米国市場に受け入れられたという事実を、ファーストリテイリング社はもっと重く受け止めるべきではないか。
 2012/09/21 09:29  この記事のURL  /  コメント(0)

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小島健輔(こじまけんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。
2016年 経済産業省アパレル・サプライチェーン研究会委員。

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