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新社会人たち
 4月のデリバリーの山があと四日で終わる。この三週間で休みは一日しかとれていない。腰の調子も芳しくないことからクラブを握る気もおきないのでちょうど良かったか。

 5社の新入社員研修を担当したが、急激な幼児化の進行が気になったのが今年の印象だ。2010年を谷底に、打てども打てども全く響かない傾向は回復しつつあり、言えばわかるしできるようになるトレンドは上昇基調にある。ただし、その初期値が絶対基準を下回りつつあるのではないかと強烈に感させられたのが今年の新入社員であった。

 敬語をはじめとする種々のビジネス用語がうまく出てこないのは今に始まったことではないが、唐突に自分の言いたいことを自分のボキャブラリーで何のためらいもなく一方的に話し始めるのは、一体何なんだろう。

 TVゲーム世代と言われて久しいが、それは悪しきリセット文化を表していた。バーチャルな世界で繰り広げられる予めプログラムされたストーリーの進行においては、都合が悪くなったらリセットしてはじめからやり直すことができるし、何度もやり直しているうちにやがてプログラム通りに敵を倒したりゴールに到達することができる。現実の人生やビジネスには予め規定された未来など存在しない。やり直しのきかない一回限りの真剣勝負なのだ。そのリアリティが欠如していることがTVゲーム世代の大きな問題点とされてきた。

 そして遂に、SNSツィート・ライン世代の時代に突入したと命名させてもらおう。自分の言いたいときに言いたい言葉を用いて言いたいように発言していれば、あとは有限特定多数の誰かが何らかの反応をしてくれる。その文脈において相手本位であったり相手視点という座標は皆無である。

 ところがビジネスにおいては、いかに人間として相手の懐に飛び込んで、多少青っぽさは残っていたとしても、こいつには時間を割いてでも親身に対応してやろうと思ってもらえなければ撃沈だ。ネットワーク上での炎上や攻撃とは次元が異なる、リアルな場面におけるOne2Oneでのダメ出しに多くの新人が戸惑っていた。

 生身の人間がアナログのインターフェースを通じて相互作用しているのが社会の現実であり実態であるはずだ。クライアント(端末)やインフラとしてのネットワークはその手段に留まり本来は単なる黒子に過ぎない。手段であるはずのものが目的化してしまい、本来の実態であるところの生身の人間同士の相互作用を現実のものとして体感できておらず、未来を創るという行為においてそれを体現することができない人々が大量に社会に放出されつつある。

 昨年までは、親や学校で指導されるべきことを会社が教えていかなければならない時代に入ったという嘆き節であった。今年からは、SNSツィート・ライン世代がフリーズしてしまっている逆位相の世界観を、会社のみならず社会をあげて180度真反対に転回させなければならない難しい時代に突入したと嘆かせてもらうことにする。
 2016/04/24 17:28  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
誠に痛ましい
 阪神淡路でも多くの若者が犠牲になったが、未来溢れる若者達が天災の犠牲になるほど痛ましいことはない。

 丸々40年以上の可能性の塊であるビジネスキャリアをスタートした若者達にエールを送っている最中であるだけに、その思いは一層強いものとなる。

 その都度、これまで経験したことがないとの年配住民のコメントが映像で流れるが、発想のオーダーが自己中に過ぎないのが残念だ。地球さんからすれば、46億年の歴史のなかで様々な活動を繰り返して今があるに過ぎなくて、人間の一生である百年弱のオーダーで物事を判断してもらっては甚だ迷惑だと。

 そもそも、その表面をしこしこ削り取って、その表面にこしょこしょ物を積み上げ放題で勝手なことをやっている私たちであるが、地球さんにとっては痛くも痒くもないことだろう。私たちは住んでいると認識しているが地球環境を間借りして棲まわせてもらっているというのが正しい表現だ。

 最近、街中で幼児を見かけるたびに、この子たちは私が没した後、およそ50年の月日を過ごすことになるが、そのときこの国は地球は果たしてどのようになっているのだろうかと考えを巡らせることが増えた。想像すら困難なほどの昨今の技術革新であるが、地球さんの営みとペースは変わらず続いていく。東海、南海、富士山が猛威を振るってこの国の姿が様変わりしていないことを祈るばかりである。

 確率現象に対する備えはリスクマネジメントの範疇になるが、100%確実に訪れる人口現象経済に対する備えは別の次元で対応が必須であり、私たちの真の英知と行動力が問われている。

 体を張って働く人々は颯爽と被災地の支援に赴きプロフェッショナルとして存分の活躍をすることができるが、頭を張って働かなければならない人々の発想と行動が甚だ心許ないので、この国の未来は決して予断を許さない。
 2016/04/16 13:42  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
エレファントゾーン
 アダストリアHDSがついに2000億の大台に達したとのこと。

 いよいよ、エレファントゾーンに突入なので、くれぐれも道を見誤ることがないよう祈るばかりだ。エレファントゾーンとは私の勝手な命名に過ぎないが、本川達雄氏の「ゾウの時間ネズミの時間」に由来する。

 氏の著作としては「生物学的文明論」も超お勧めで、どちらも必読文献だ。2メートルの高さからゾウとネズミが落下したとする。ゾウは、「あれ?何かおかしいゾウ・・」の“あ”も終わらないうちに大きな音を立てて地上に激突する。

 一方のネズミはというと、最初の数十センチ落下する間に「おや?、俺は地面に向かって落ちている。このまま変な体制で地面と衝突してしまうと大変なことになる。ここはひとつ体にひねりと回転を効かせて、少なくとも致命傷にはならない落ち方で、あわよくば足で着地を決めてやろう」と決意する。

 次の1メートルくらいの間に作戦通りの努力を繰り返し、最後の数十センチで見事安全な着地体制を整えることに成功し無事借地する。空気抵抗の影響を除けば両者に与えられた時間は全く同じであるが、その間に考えられることとできることには雲泥の差がある。ただし、ゾウとネズミの間には数十倍の寿命の違いがあるので両者が一生の間に考えたりできることは等しいという、そんなロジックである。

 アパレルといい通販といい、2000億の大台を超えて以降、おかしくなってしまった企業は少なくない。桁違いではあるがファーストリテイリングも1兆円を超えたところから喘いでいる。
その昔、10億の壁、50億の壁、100億の壁などを難なく乗り越えた企業がその大台への挑戦権を得るわけだが、おそらく世界戦クラスの別世界なのであろう。

 オーガスタがコースとしても戦いとしても別世界であるように、そこで待ち受けている勝負はかつて経験のないものばかりであろうことは容易に想像できる。トリニティアーツが150億から500億を駆け抜けるところまではご一緒させていただいたが、この別世界での別次元の勝負に、どうか見誤らないで挑んで欲しいと祈るばかりだ。
 2016/04/10 15:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
今年も始まった
今年も新入社員との真剣勝負が始まった。

 先週、入社前研修が一件あり、今週から三週間でトータル10日間の新人対応となる。
もはや次男の年齢を下回る人々が対象になる歳になってしまったが、真剣勝負の程はまったく衰えるどころか、先週も熱い一日を過ごさせてもらった。

 その場の空間とそこに集まっている受講生の雰囲気が私のテンションを醸成してくれる。年々、全体的に人物が丸く大人しくなる傾向にあることは否めないが、押すスイッチさえ間違えなければ彼ら彼女らは必ず敏感に反応する。

 振り返れば新人研修に携わるようになってから、早や11年目に突入している。44が22を面倒見るという倍返しからのスタートであったが、気がつけば55が22をになっている。66で三倍返しをすることはおそらくないだろうが、還暦を過ぎてもお役に立てるようであれば頑張ってみたいものだ。

 職能資格制度の生みの親である楠田丘氏が65歳の時に受講した講演での一言がいまだに鮮明に思い出される。人間は60歳で生まれ変わる(それが還暦の所以)というが、まさに5歳児の私はようやく世の中の右左が見えるようになって、わかるようになりかけてきた。毎日がこれ発見であり勉強であり、人生が楽しくて仕方がないと。

 とすると、私ごときは未だマイナス5歳なのでまだまだこれからだ。体力的にも精神的にも青春し続けたいと思う。フレッシュパーソンから、逆にエキスを吸収させていただく、ありがたい4月だ。
 2016/04/03 18:18  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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