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マインド定年
 昨日、満55歳を迎えた。世が世なら本日より定年後の生活に突入している年齢になった。

 私たちの世代が物心ついたころ、およそ70年代には大企業や公務員の定年は55歳だった。今の時代、企業側は65歳まで定年を延長するか継続雇用制度を導入するかが求められている。労働者側にも、年金があてにならないことから働く意欲というより働き続けざるを得ない現状がある。

 35歳定年制との伝説がある情報大手企業がある。アパレルにおいては、50歳を過ぎると経営者や職人以外に仕事はない。その匠の場を商社に丸投げしてきたので、各年代に一人か二人くらいしか人材需要はなくなってしまった。

 400mトラックも第四コーナーに差し掛かり、100mを残すばかりとなった。有終のテープを切るべく、次世代の育成に捧げる最後の10年としたい。

 セレクト企業に対するハイブリッドコンテンツはとても評判が良くて、続編を期待されている。比較的若手を対象にした戦略ワークショッがさらに新たに今週スタートを切る。第二弾以降、塾の一年間のコンテンツも企画せねばならない。

 卒業というキーワードが耳に入ってくる季節だが、心の中でマインド定年としての卒業式を終え、最後の新たな入学を迎える。
 2016/03/20 17:47  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
三方よし
 売り手よし、買い手よし、世間よし。近江商人が大切にしていたと言われる商売訓である。

 セレクト企業と取り組んでいるSV育成施策が折り返し地点に達したので、中間打ち上げが催された。一人ずつショートスピーチを含む乾杯の音頭が16名の受講生全員で持ち回られた。およそ五分おきに乾杯がある勘定だが、それはもう圧巻であった。

 およそ二時間の所用時間もさることながら、都度飲み干すわけではないものの16回の乾杯はさすがに初めての経験で、どれほど痛飲したことか。皆さんそれぞれ、自分の中に起こりつつある変化やコンテンツや私に対するコメントなど、表向きの儀礼ではなく本音で語ってくれたことが印象的だ。お一人お一人丁寧にフィードバックのコメントを入れさせて頂いた。(突っ込みやいじりもあったりで恐縮です)

 最後に冒頭の近江商人魂を引用して、ファッション業界では「人よし、商品よし、お店よし」と解いた。五週連続してお付き合いしてきたので、組織風土やそれぞれのメンバーの個性もおおよそ見えてきたので、十二分に人よしの要件は満たしておられると感じているとお伝えした。その一方で、商品やお店が伴っていなければ、もしくはせっかくのその人が商品やお店に対する的確な業務ができていなかったとしたら…。

 今回の施策を通じて、商品とお店に対してよりクオリティの高い働きかけができることを目指し、三方バランスのとれた強い会社になって欲しいとエールを送った。

 人もしくは組織悪しで四苦八苦している企業も少なくない。人悪しは面相を見れば一目でわかる。組織悪しもオフィスを訪問すればオーラが漂っている。商品の面の善し悪しも一瞬の肌感でわかってしまう。それも最初の二秒で。(お勧め文献は「第一感」マルコム・グラッドウェル)

 我が国は既に二百数十年前からマイケル・ポーターの五つの力を先取りしていたことになる。偉大なる先輩方に改めて敬意を表するとともに、現代を生きて次世代に繋いでいく責任がある私たちは襟を正さなければならない。
 2016/03/18 09:47  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
塾が始まった
5日(土)に塾の第一回目を開催した。

 ありがたいことに、5社16名の参加をいただいて盛況のうちにスタートを切ることができた。
広義のファッションビジネスから4社と通信キャリア企業の混成が様々な議論を巻き起こしていた。多くの参加者がアラサーだが、アラフォーとアラフィフもいてバリエーション豊かな世代構成になった。

 超マクロ的視点として、宇宙と地球の今現在と、そこに暮らす私たち人類の置かれている状況を理解することで口火を切った。猿人として700万年、新人として20万年(50万年説もある)の歴史が、あと数千年で途絶えてしまう可能性がある。ということは繁栄を誇る文明社会(何をもって繁栄と言うかは置いておくとして)は、ヒトとしての歴史のほんのわずかな最後の瞬間を照らしているに過ぎない最後のカーテンコールなのかもしれない。

 その根拠は二つあって、人為的な地球環境破壊による可能性と地球が5回目の氷河期に突入するか、それらのいずれかによるとされる。温暖化対策が喫緊の課題であることは確かだが、それは100年のオーダーの議論であって数千年のオーダーでは氷河期に向かっているのだ。

 次に数十年のオーダーで我が国がどのような社会に突入していくかを議論した。参考図書として松谷明彦氏の「人口減少経済の新しい公式」を取り上げた。少子化、高齢化という一言で表してしまうことで見失ってしまっている蓋然性に目を向けることができる。

 そこから導かれる今後30年の日本企業の採るべき方向性を明らかにした。必ずしも並列関係ではないが、要点は三つある。第一は、規模や売上の追求から価値(利益)への転換である。三品教授をはじめ多くの論者の指摘するところであるが、言うは易行うは難しだ。

 第二に、その源泉としての技術開発力の獲得だ。ファッション業界においては商品、ブランド、ビジネスモデルの開発力と言い換えることができる。最後は、生産設備、人員をはじめとするリソースの縮小化だ。経済の総量がシュリンクすることは避けがたい現実なので、それに併せて腰をかがめて単位当たりの付加価値を増加させていくしか道はない。

 国民ひとりあたりの価値の増加は所得と余暇の両面で表れてくる。すなわち、ほんとうの豊かな社会の到来なのだ。決して暗い未来が訪れるわけではない。ところか、そこに至る過程で先の短い指導層の個人的組織的既得権益に逆らってまで価値観が正反対になる社会を実現させることができるかどうかは今後の私たちの立ち居振る舞いにかかっている。

 さて、そんな時代に直面しながら私たちにはおおよそ40年のビジネスキャリアが与えられている。400メートルトラックにたとえると10年で100メートル、一ヶ月で約1ヤードを走り抜く計算になる。

 私は第四コーナーに差し掛かりつつあり、どうやって最後の直線をどうやって走破して美しいフィニッシュでゴールテープを切ることができるかを考えなければならない。それぞれ第一コーナーを回っている世代、バックスタンドの直線の真ん中を走っている世代、それぞれがどこまで走ってきて、あとどれくらい走るのかを強烈に意識するよう促した。

 そして1年10メートルの重み、一ヶ月で1ヤードも進んでしまうことの意味を疎かにせず有意義な人生を歩んで欲しいと訴えた。これらの議論を踏まえて、自分自身のキャリアを深く考えるきっかけにして欲しいとともに、この塾を通じてどのような知識や情報に触れていきたいのかを議論した。

 参加者の意向は、ビジネススキルというよりもリベラルアーツ(一般教養)の方に重きがおかれた。前者は日常的に十分とは言えないにしてもある程度の学習機会が得られているものと想像した。また後者は、単なる記憶の対象となる知識レベルではなく、奥深いところでビジネスのパフォーマンスの背景となり得ることを直感的に感じているのだろう。

 11名が懇親会に参加して、私は一次会で辞させてもらったが、その後なだれ込む気配を大いに感じたので、どんな議論で盛り上がったのかを聞かせてもらうのが楽しみだ。

 二ヶ月に一度のペースで、ますは一年のプログラムを構想することになった。今月中には固めて発信しようと考えている。まずは、参加者の皆さんお疲れ様でした。そして、今後ともよろしくお願いします。
 2016/03/07 09:13  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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