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衝撃的未来
 私たちはたかだか数十年の人生とビジネスキャリアしか有していないことから、それが日常的発想のオーダーとなることは自然なことだ。。

 短期的には温暖化に向かっている地球が、数千年のオーダーで考えると氷河期に向かいつつあることをご存じだろうか?46億年の歴史がある地球上で誕生後数百万年でしかないホモサピエンスにとって、数千万年のオーダーでの未来を日常的に気にかける機会はほとんどないのは仕方がない。。

 ところが私たちにも容易に想定可能な数十年のスパンで、我が国がとんでもない人口減少と超高齢化にさらされる避けがたい未来に対する危機感は以外と低い。10年以上も前に世に問われた文献であるが、松谷明彦の「人口減少経済の新しい公式」を読むとお尻が冷たくなる。

 特に東京を初めとする都市圏の変容が尋常ではないことが痛々しい。ここ数年は2020年のオリンピックまではお構いなしに浮かれた時間が流れていく。夢の宴が終わって30年後の2050年には、総人口が八千数百万になって現時点から四千万人ほど減する可能性が高いという。

 その際の高齢化率(65歳以上の割合)は、なんと40%を超える見通しだ。世界的には人口爆発中であるが、局所的偏りにより旧先進諸国における労働力不足は深刻だ。年明けの業界紙誌のトップインタビューを見ていて、30年のスパンで縮小均衡を標榜する発言をしている経営者は見当たらない。

 お腹の底では考えているがリップサービスとして記者受けする短中期の話ししかしていない経営者もいるやもしれないが、大半の経営者が自分の任期中のせいぜい数年を見ているだけで、四半期決算に追われているうちに退任を迎える。

 一人当たりの付加価値をいかに拡大させていくか、増加する余暇時間をいかに有意義に過ごすことができる社会を実現していくか。誕生して700万年ほどと言われる霊長類の進化形である私たち人類に残された時間は数万年しかない可能性もある。その前に数千年後の氷河期に備えなければならないが、その課題は後の世代に先送るとして、数十年後の未来には責任を持たなければならない。

 今の新入社員が定年を迎える前に、そのときはやって来る。
 2016/01/30 10:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
久々に聞いた横流し
横流しという言葉がメディアで踊った。

 私にとってはその昔慣れ親しんだキーワードであるが、何十年か引き出しの奥底に眠っていた記憶が蘇った。横流しとは正規の流通経路に反するチャネルに、故意または過失により商品やサービスが流出することを指す。正規とは業法や当事者間の契約など法的裏付けのあるルートのことだ。

 今回は、廃棄処分に処せられるべき商品すなわち一旦バックワードロジスティクスに回された食材がフォワードチャネルに還元してしまった。私が経験したスキームは、取引先がキャリー在庫をバッタ屋に処分してしまうケース、社員も含む関係者が現金問屋に持ち込んだり、自宅周辺で私的に売りさばく事例などがあった。

 ダイエー系のディスカウント業態に当期商品が20%オフで並べられたときに、よくよく調査すると出所は物流センターから不正に持ち出された商品が転売された末路であることがわかったりもした。関わった課長さんが賭け麻雀に巻き込まれて、あげく一家離散になったという悲劇であった。

 これらの事例は、刑事的にも民事的にも違法行為なので論外だが、横流し的に流通秩序は破壊されて変化を重ねてきた。代表的事例が、一物一価の崩壊と可逆的マークダウンの浸透だ。

 どちらもFRが先鞭をつけて、アパレルや小売の期中対応が大きく変わって今に至っている。はじめFRは、リアルとネットの価格統一に苦労させられたと聞く。チラシで数日前には価格を確定させなければならないリアルと、文字通りリアルタイムに価格を操作することが可能なECの整合性を図るのは大変だ。リアルとネットで価格が異なると顧客からのクレームが続出したそうであるが、そのうち開き直ってそれらはチャネルも商売も違うのでということで今に至る。

 また、土日に値下げされた商品が月曜には元の価格に戻っていることに対しても、今や顧客側もサプライ側も違和感を抱くことはない。館によるセール時期の違い、期中売変やレジオフ、バンドルオフなど、なんでもござれとアパレルにおけるプライス面の秩序は混沌としてしまった。

 ブランドの価値のひとつが、定価でしか買えないけれども他にはない価値があるとすると、私たちはブランドバリューイーターに成り下がってしまっている。その先に待ち受けているのは、コモディティ化したアパレルの価格競争という泥仕合である。その先どころか私たちはこの10年ほどでそれを痛いほど実体験したはずだ。

 私たちが今、どんな経済社会に突入しつつあるか、次回の話題にしたいと思う。
 2016/01/25 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
最終コーナー
 この三月で満55歳になる。40〜50年前であれば晴れて定年だ。

 ということは、いよいよビジネスキャリアの第四クォーターに突入することになる。1Qはアパレル業界を法務を通じて理解することに始まり、経営学の入口をノックした。2Qでは経営学を本格的に修練しつつ、SPAへのイノベーションを体験学習した。

 3Qでは会社を飛び出し、SPAのナレッジとスキルを多くの起業にインストールしてきた。さらに研修ビジネスパートナーとのご縁があり、アパレル業界を超えて様々な分野における講師ビジネスを磨き上げてきた。

 そして4Qは「次世代の支援」をキーワードに、ビジネスモード(稼ぐ)というより、育成モードで社会貢献的に自分の生きた証を残したいと考えている。

 プライベートな勉強会が3月にスタートする。研修ビジネスでの教え子達三名がコアとなってくれている。私のコンテンツとパートナーのコンテンツのハイブリッド型で、老舗セレクトのSVに対する比較的大がかりなワークショッププログラムに初めてトライする。提案段階ではあるが、国際的IT企業や最も尖った通信キャリアのミドルマネジメントに影響を与える機会も得られそうだ。

 あとひとつだけ繋ぎたい線があるとしたら、アパレルの経営者に対する次代を構築するためのガイドの仕事だ。ここ一二年ほどであと二三社のご縁があれば、それでここから10年のポートフォリオは大方見えてくる。

 いよいよ第四コーナーが近づいてきた。
 2016/01/16 10:44  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
昨年から今年
 ファッション業界を取り巻く去年から今年にかけてのトピックと課題は何度も議論してきた。

 私はというと、起業して丸10年が経過して12期目に突入した。長男が就職して次男が就職を控えるという、大方現役(扶養費用を稼がねばならないという意味で)は卒業の時期に差し掛かった。筋トレを再開して二年半が経過した。そろそろ既存の洋服がパツパツになり始めて、痛んではいないものの放さねばならない服が増えてきた。

 世界はというと、テロの脅威と同時不況と暗い雲が漂っている。原発と二酸化炭素について英知が問われている人類であるが、しょせん類人猿の進化形レベルの私たちは、何もできず地球の大きな変化にさらされて絶滅することは避けられない。

 とはいえ、オーダーは数千年以上のレベルなので今の世代の人々にとって現実味を帯びることはない。実はそこが英知の見せ所なのだが…。短期的には温暖化モードにある地球が、数千年のオーダーでは氷河期に再突入しつつあることをどれほどの人が認識できているのだろうか。私たちの人生がたかだか100年弱に過ぎないので、数千年を超えるメジャメントで合理的判断を下すことができにくいのがもどかしい。

 企業活動に固有のシステム時間があることも、何度か申し上げてきた。日々一喜一憂する私たちであるが、企業や業界が有する数十年のオーダーでの変化を見誤ってはならない。

 数十年を見て、10年後をターゲティングして、数年後のマイルストーンを設定し、今年の目標を立てることはできまただろうか?私は、人材育成ビジネスへと軸足を移して、省エネモードに突入する。エネルギーは極力使わない、モノは残さない、次世代に迷惑をかけない、できうれば次世代の次世代育成の支援体制を整えるモードに突入する。
 2016/01/05 19:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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