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信任と言われても…
実質四分の一で信任と言い切られても…。

 難しい統計学を振り回す前に、数を正しく扱えるようになることは私が追求し続けている大きなテーマの一つである。

 達成/未達で一喜一憂して、ベスト30をチェックして、入り口に過ぎない企画原価を一律で縛りをかけて、と現状は惨憺たるものだ。何の疑いもなく業務に邁進している現場の人々に罪はないが、管理職と経営者には正しく数をマネジメントして欲しい。

 数学はこの世を司る最上位の哲学だという説もある。学問的決着はついていないが、おそらくそうなのであろうと思わせるだけの説得力はある。数は真理を語ることができる反面、真理を覆い隠すことにもなりかねない諸刃の剣なのだ。

 ありがたいアドバイスを頂戴したH氏とお茶をする機会があった。環日本海経済圏構想や諸処の陰謀説には考えさせられるものがあった。私たちは真理とはほど遠いところで霞を見ながら霞を議論し霞を操作しているに過ぎない可能性が高い。
 

 年末年始の必読書として、トマ・ピケティの「21世紀の資本論」がデスクに鎮座している。待望の日本語訳が今月初めに出版された。パロディ映画を巡って騒がしい世の中であるが、サイバー空間を前提にした民主主義や資本主義の議論はまだ緒にもついていない。当ブログのコメント欄に対する人手によらないシステムによる自動寄生も、以前は英語によるものがほとんどであったが、最近は訳のわからない漢字による攻撃にさらされている。

 21世紀の資本論が古典となり、サイバー資本論が確立するまでは生きていようと思う。明日から、南半球に5日間行ってくる。逆シーズンのアウトレットの可能性を探るためだ。目がありそうであれば実験的取り組みを提案しようと意気込んでいる。
 2014/12/25 07:49  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
服が売れない
服が売れていないとの活字が業界紙の一面を飾ることとなってしまった。

 この秋冬は氷河期感を感じている企業やブランド、ショップが大半だ。
消費増税の反動減が想定外に長引いたこととしょうひそのものの変化が原因であるとの見立てだ。

 シーズン区分をより細分化したり、セール期でも顧客の欲する提案をと各社で知恵を絞り出そうと試みている。およそ10年を超える中期的スパンのバイオリズムが共振して大底を打ったのが今年の秋冬だと考えることができる。そのバイオリズムの正体は5つある。

 第一は、期中の売れ筋追求型のMDロジックの疲弊である。52週のMDと言われるようになって久しいが、その実は単なる他人依存のパクり商品企画に過ぎなかったことが露呈してしまった。模倣は学習の基本であることに間違いはないが、エッセンスではない表象的模倣はただの相乗りに過ぎない。売れ筋を追加すると言えば聞こえはいいが、最初の売れ筋はいったい誰がどのようにして市場に問うのかという根源的問いに応えることができるブランドがどれだけあろうか?

 第二に、長らく続いてきたファッションの軽薄短小化、行き過ぎたカジュアル化がターンオーバーしようとしているトレンドのグランドチェンジに直面しながらも、とはいえ長年慣れ親しんできたお手軽感からギアを切り替えるには多少の時間とエネルギーを要することにならざるを得ない。

 第三に、企業寿命30年説に裏付けられるかのごとく、平成前期のSPAビジネスモデルを牽引してきた元昭和モデルの大企業が第三ステージに昇りきれずに悪戦苦闘し、平成後期のSPAビジネスモデルを構築した各社が第二ステージを暗中模索している状況にある。

 第四に、中間の余剰な段階を排除するとともに自前化することで垂直統合を実現していくはずのSPAが、ODMメーカーからのチョイスに依存する羽目に陥ってしまったパラドクスがある。ODMとは完全買取を実現した新たなアパレルの出現であり、アパレルがアパレルに依存してしまっていては進化を逆行することに他ならない。

 最後の五番目は、服に携わっている私たち自身がパッションを伴って洋服にはまっているかどうかという問いである。自分自身の趣味嗜好を生業とすべきかどうかについては別の次元での議論も成立しうるが、洋服に興味も関心もない人々が事務的に取り扱っていたのではいい面構えの商品が上がってくることを期待することは夢のまた夢に過ぎない。

 私自身、友人の貴重なアドバイスにより危ういバイオリズムの共振に気づかされてマインドおよびアクションの見直しに直面した。正の共振に向けて業界をあげて取り組まなければとんでもない状況に陥りかねない、共振現象は個々の構成要素が主観的に意識できにくいところに悩ましさがある、

 2014/12/14 17:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
ありがたき指摘
MBAの同窓生には個性豊かな面々が揃っている。なかでもとりわけ独特の存在感とリズム感を有しているのがH氏だ。私も読書はする方だが、彼こそ読書家と呼ぶに相応しい御仁だ。

 彼には独立後のビジネスの立ち上げにおいて、ひとかたならぬお世話になった経緯もあり、有り難いでは済まされない恩人の一人である。

 恒例の加護野先生を囲んでの新年会が一回飛んでしまったため、おおかた二年の長きにわたりご無沙汰してしまっていたが、二年ぶりの新年会に先立って大阪で会う機会を設定することができた。

 予定をすりあわせる過程で、友人ならではの的確かつタイムリーな批判を頂戴することができた。内容を記するのは差し控えるが、グルッと回って危ない崖っぷちに近付きつつある自分に対する大いなる警鐘として心に響いた。

 本当のことをズバリ指摘してくれるのは真の友人しかいない。ビジネスにおいては、それぞれのしがらみやプレッシャーや利害関係、思惑にまみれて本当のことが見えにくく、言いにくく、やりにくくなってしまうことは否めない。

 そんな虚像のやりとりの中で、自分を見失ったり大きな勘違いをしてしまったりと、擦り傷切り傷、場合によっては大けがや頓死も免れえないのが現実である。

 決算期としてはこの年末で10期目が終了するが、正味では来年半ばに丸10年を迎えることになる。その間、何周かトラックを周回してきた感があるが、ある種の軌道に乗りながらももっとも重要な軌道を外しかねない危うい座標軸に突入しつつある己に気づかされた。

 ありふれたフレーズではあるが、もつべきものは友であるとしみじみと感じさせられた。
 2014/12/09 18:58  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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