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時代か?
企業法務の話題を二つ。

 第一は、商標法改正の動きのなかで、色彩や音、動画まで登録が可能になる。かかる動きに関しては欧米が前を走っていて、コークの瓶の形状も商標権として認めれられている。匂いが商標権になる時代が訪れることはないと思うが、IT化(特にクライアント=スマホの普及)を背景にして商標権の果たす役割が大きく変化、進化してきた結果だ。

 商標の機能は、「出所表示」「品質保証」「広告宣伝」の三点だ。由来としては出所表示から始まった商標の意義であるが、現代的には広告宣伝の機能が中心にその役割がクローズアップされていると考えられる。知的財産権をいかに広告宣伝に活用していくかが戦略となる時代の突入したと言える。

 第二は、経産省と公取がメーカーの価格指定を禁じた独禁法の運用指針の改正に乗り出したことだ。“上代が危ない!”と何度か申し上げてきたが、ここにきて風向きが変わる気配か?

 その趣旨は、過度な価格競争だという。少子高齢化が進展する我が国で低価格競争をしては経済がシュリンクすることは、これも何度もお話しさせていただいてきた。
 
 アパレル業界としてもSPA化が進展したここ20年であったが、潮目が変わりつつある。小売に振れるだけ振れて、メーカーの時代に戻る振り子が動き始めた。

 ちゃんとしたモノを、ちゃんと作って、それなりの価格で勝負しよう!
 2013/06/23 17:45  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
先輩が後輩になった
前職時代の先輩と食事する機会があった。

 彼は、前職卒業後いくつかの企業を経てこの春独立したところだ。会社設立の案内を頂戴してすぐにご挨拶に伺ったのが3月のこと。

 いろいろ教えて欲しいことがあるとのことで、今回の宴に至った。独立した事業をどのように展開していくのかという話し、クライアントとの関係性の構築維持の話し、契約上の留意点などの実務的な話しまで、話題は多岐にわたった。

 聡明で人脈も広い方なので、私ごときに相談するまでもないのではと思いきや、私のこれまで何とかやってきていることを評価、尊重して下さり、そこから何かを学び取ろうという真摯な姿勢を感じ取ることができた。

 ご自身の事業を軌道に乗せるための手段としてが第一義的にはあるのが当然だが、それを超越して自分にはないものを他者から真剣に学ぼうとする基本スタンスが伝わってきて誠にさわやかなひとときであった。

 “生涯学習”を掲げているものの、その対象領域とゴールイメージがいまひとつ不明瞭な私であるが、そろそろ絞り込んでいかねば。私の方も大いに刺激を受けた、そんな食事だった。先輩のご活躍を祈念いたします。
 2013/06/13 08:17  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
PBの二面性
食品における高級PBが勢いづいている。

 牽引するのはイオンのトップバリューセレクトとセブン&アイのセブンゴールドだ。日経MJによる覆面食べ比べにおいても、ナショナルブランドと互角に戦っているのは大したものだ。

 西友発のPBである無印良品は20有余年を経てまったく独立したブランドに進化、確立するに至った。それ以外のGMS発のPBは、恒常商品の低コスト化を目指した顔のない商品が大半であった。それ故、我が国ではPBというとコストを極限までカットして不要な付加価値を削ぎ落した廉価商品という印象が強かったが、ここにきて大きく潮目が変わりつつある。

 そもそもPBとはNBに対比される概念で、小売の立場で誰もが調達可能な全国区(広域)商材のNBに対して、自店独自の開発商品(もしくは地域限定諸品など)を指す。我が国では、PBが歴史的にたまたまコストセービング型の低付加価値商材という定義で先行したが、高付加価値高価格型のPBがあっても何か問題があるわけではなかった。

 もともとアパレル業界におけるブランドは、差別的競争優位性を伴い価格競争にさらされ難い(上代決定権がアパレル側にあり、小売側もできるだけ正価販売にこだわり、一物二価を認めない)ことをバックボーンにその市民権を得てきた。ただし、それはブランディングをプロダクトベースにおいたときの議論だ。

 ショップベースでのブランディングを武器にする業態(いわゆる小売業を生業とするリテールSPA)が表れたときに、プロダクトブランドは相対的に後退を余儀なくされ、価格競争(値引き競争)の波にさらされ始めたことは周知のとおりである。いまや、レジオフ(10%が主流であるが、15%〜20%のケースもある)の麻薬はセレクト業態をも浸食しつつある。

 何ゆえにGAPのフィッシャー氏がSPAの定義においてPrivateBrandoではなくPrivateLabelと表現したのか?ファッション業界は製品(商品ではない)に付与した自らのレーベルに責任を持つ必要があるというメッセージだと私は理解している。

 店の看板を背負っているのがショップブランドだとしたら、プロダクトブランドは製品のレーベルを背負っていると考えなければならない。両方が一致している純粋系のSPAよりも、二枚看板型のSPAの方が元気がよいが、ブランディング論で言うと濃密なブランド力を有する前者に対して、後者のそれは明らかに希釈である。

 希釈にもかかわらず元気が良い、すなわち成長性があり売上規模が一定に達しているとしたら、それは薄利多売型の大衆ビジネスを意味するので、ファッションにおいて求められてきたブランドの価値と定義と矛盾することになる。

 私たちは、モノの作り方と売り方を真剣に問い直しながら自らのブランディングの是々非々を議論しなければならない。

 食品業界の動きが衣料品業界にも迫りつつあるとは現時点では言い切れない。しかしながら、ヒタヒタとした不気味な足音を感じるのは私だけではないだろうし、決して気のせいに過ぎないと片づけてはならない。
 2013/06/02 13:47  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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