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熱い反応
ファッションビジネスリーダー養成塾の第二日程(第三講座)も大いに盛り上がった。

 第一と第二講座では、“ファッション業界の歴史と展望”“ビジネス基礎スキル(ロジカルシンキング/定量分析/問題解決)”を履修した。

 第三講座では、本来のカリキュラムを倒置して“ダイレクトマーケティング”をテーマに取り上げた。参加各社の関心領域のひとつが共通してECにあったからだ。

 初回の合宿講座から、一週間ぶりの開講の冒頭の言葉は、すべての受講者において共通のものだった。それは、およそ一週間もとの業務にまみれた結果、せっかく学んだ内容が吹き飛ぶとともに、日常業務にはそれらを活かしたり反映させるべき場面は全くなかったと。

 そこのとは、まさに皆さんが日常業務の中で抱えている矛盾と限界を示唆するものである。あるべき姿やロジックとは無関係にルーティンワークはとてつもないモーメントをもっている。
その慣性の中で、イノベーションは棚上げされ、過去の延長上に過ぎない未来が展開され、気が付けば取り残されているか、小さな閉じた村が残っているだけという現実に直面する可能性が極めて高い。

 そのような皆さんが、一日真剣な眼差して熱い反応を示してくれた。おそらく、これまで通りではない自分でありたいし、そうではない組織を目指したい思いの表れだと私自身も思わず熱くなった。

 次回は、メインコンテンツの“MDロジック”だ。血管が切れそうになりながら、頑張りたいと思う。
 2012/09/30 17:17  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
セールをずらすなら
秋冬のセールを後ろにずらすトーンが弱含みだ。

 三越伊勢丹の大西社長の鼻息がひとり荒いが、おそらくルミネも腰が砕けることはないだろう。ポイントは、アパレル側の対応の巧拙にある。

 第一に、フライング店舗とレギュラー店舗とレイト店舗の間での在庫の振り回しである。ルミキャンの前後における在庫の足し引きには一定のノウハウが蓄積したアパレルが多いと思われるが、セールスタートが早い店舗に見切り商品を集中させて、遅い店舗にはプロパー商品を積み増すハンドリングはまだ未完成だ。

 第二に、丁寧な段階的マークダウンの実施である。理論的には早い時期に相当する週のマークダウン率は低くてしかるべきであるが、それを上手に実現できたブランドはおそらくないと思われる。6ブランドのそれを比較したセレクトショップでの検証結果では、無秩序なランダム状態であった。

 三番目は、フライング組がセールに突入した後の2〜3週間を繋ぐプロパー商材の充実である。販売期間の末期をプロパーで引っ張るのか、準セール玉として企画した商品をそこにぶつけるのか、MDの腕の見せ所である。

 さらに、秋冬の場合は顧客カレンダーが春夏の裏返しではない。夏休み(海の日三連休)はセール後組みのさらに後に始まるが、正月休みにセールに入っているかどうかという問題が、実はクリティカルな選択肢になる可能性が高い。

 とはいえ、地域性と立地によってその意味は異なるので、三越伊勢丹とルミネが早々に遅い組を宣言したことは理に叶っている。

 せっかく小売側が変革(とは言っても、本来あるべき姿に戻るだけのことだが)を仕掛けてくれたのので、アパレル側にはしっかりと呼応する責務がある。ずるずる組にずるずると巻き込まれることのないよう、くれぐれもよろしくと言いたい。

 そうそう、ファッションビジネスリーダー養成塾のスタートアップは、上々だった。声が枯れて血管が切れそうになる経験は滅多にないのだが、それくらいテンションが上がる一日半だった。今後の展開と最終のアウトプットが楽しみである。
 2012/09/23 17:49  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
いよいよ始まる
いよいよ今日から、ファッションビジネスリーダー養成塾が始まる。

 森パーソネルクリエイツさんとのコラボ企画で、コンテンツと講師は私が一手に引き受ける。
アパレル企業に対して行ってきたコンサルティングと、様々な業界の様々な世代の方々に対して行ってきたビジネス基礎スキルの融合である。

 ロジカルシンキング/問題解決/定量分析/プレゼンテーション/マーケティング/戦略etc.を基礎にして、SPAビジネスモデルの本質やMD、DBロジック、ダイレクトマーケティングetc.を業界応用ナレッジとしてインストールする。

 エグジットは、参加者それぞれが予め経営トップと握ってきた課題に対するアクションラーニングと、その結果のトッププレゼンである。

 三社七名というこじんまりとしたスタートではあるが、小さく産んで大きく育てるkとができればと思いは膨らむ。

 まずは初回の一泊二日の合宿に出陣だ!
 2012/09/21 07:57  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
同業界ならでは
同じ業界の方々と、ロジカルシンキングおよび定量的思考の研修をご一緒しました。

 100本ノック研修は年間70日前後登壇していますが、ファッション業界企業での実施は初めてです。さすが小売業態だけあって、本部スタッフも公休性で動いており、三連休の土曜と日曜の実施でした。

 講師の私にとっては、たとえ話にしても脱線にしても、ビジネス定数の引用にしても、共通の土俵で様々なナレッジを引き合いに出せるので、リズムよく進められるとともにテンションもいつもより一段上がりました。受講生も、必死で聞こうとする真剣な眼差しと、手元に書き留める量も尋常ではありませんでした。人財開発ご担当の方も、とても熱心な方で、今後の展開に関する議論でも大いに盛り上がりました。

 今回のケースに限らずファッション業界の方々と接していて感じる共通の課題が三つあります。

 第一は、ビジネス基礎スキルの研鑚機会が少なすぎること。例えば、ロジカルシンキングにしても一回の受講や一冊の読書で簡単に身に付くものではありません。何度も何度も時に丁寧に、時に荒くいろんな塗料や薬品を塗り重ねていく必要があります。

 次は、他流試合をもっと経験することです。他流試合には二つのレイヤーがあって、まずは文字通り異業種と交わることです。学生時代の友人とたまに飲むというレベルではなく、積極的交流が見聞を広めてくれます。

 そして意外に盲点なのは、広義の同業である他業態のことも案外とわかっていないところです。今回は郊外型小売業態のファッション企業でしたが、今回の皆さんにとって、百貨店アパレルの話しやリテールSPAの動向など初めてかつ新鮮な情報だったようです。

 メーカーさんや商社のことをわかっているのは企画や生産に携わっている人だけ、ディベロッパーのことを知っているのは店舗開発に関わる人だけ。ファッション業界とはいえ、狭義の自社の業態以外のことはほどんどわかっていない我々。

 すなわち、粗くていいのだが全体を俯瞰しておさえることができている人材が少ないということです。先日、とある総合商社の部長と、部長の課長化、課長の係長化が進展しているよね!という議論で意見の一致を見ました。

 さまざまなロジックやインフラの進化で担当する仕事の精度(深さ)は高まっている可能性はありますが、それと引き換えに範囲が狭くなってしまえば、それは結果的に体積の縮小につながるおそれがあります。自分の仕事の体積をモニタリングしてみて下さい。
 2012/09/18 07:47  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
セールの結果
間延びした夏のセールの結果の詳細が分析された。

 フライング組、レギュラー組、遅らせ組とそれぞれに分けて週別の売上、粗利、マークダウンを追いかけた。理屈としては、後ろに倒せば倒すほどマークダウン率は少なくて済み、粗利率もアップすることになるが、そのようにきれいな階段状になったブランドは意外と少なかった。

 マークダウン率がもっとも高いにもかかわらず、粗利率がもっとも高かったりという逆相関も見られたりした。むしろ、遅らせ組の粗利率がもっとも低かったり、マークダウン率の分布がバラバラだったりと、初回はアパレル側も混乱気味だったことが伺える。

 マークダウン率がもっとも高いにもかかわらず、粗利率がもっとも高かったりという逆相関も見られたりした。その理由としては、がっつりとマークアップされた商品を大きなダウン率でしっかり売ることができたと仮説立てることができる。セール未突入店舗でそれらがプロパーで売れれば、それも粗利の源泉になる。リテールSPAにとっては当たり前のセール玉の考え方と投入時期であるが、他のアパレルもそれに追随する動きが活発になると考えられる。

 先行組がセールに入った1〜2週間でプロパー売りの相性が良いアイテムも判明した。全くの裏返しにはならないが、次の秋冬のセールに向けてやるべきことは見えてきた。
 2012/09/10 06:58  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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