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後輩に教えられ
カシミアのストールで頑張っている後輩のN氏と一席設けました。

 彼が次の三点を盛んに強調しており、私も改めて勉強になりました。

 第一は、私たちのような独立人にはストレスなど溜まりようがないということ。彼も昨年の震災以降今期は大きな苦労をしたそうですが、大きな組織の中で働く人々に比べれば何の何のだと。私にはそれがなかなか難しいようで、年明け以降風邪をひいたり腰を痛めたりで独立以来ここまで体調を落としたのは初めてという状況でしたので、大いに励まされるとともにスイッチをリセットすることができました。

 第二は、自分の信ずるところのみに立脚して商売をしていくということ。目先の売上や、奇をてらった商いは、喉元まで出かかってもグッと飲み込んでしまう方が、結果として上手くことが運ぶと。常日頃口が酸っぱくなるくらい手段と目的を履き違えてはならないと思っていながらも、実行に移すとなるとなかなか難しいもの。彼はそれを体現しているようです。

 最後に、ビジネスの指名は“継続性”にあると。経営学の入門書の冒頭には必ず“ゴーイング・コンサーン”という言葉が出てきますが、経営学的に言う永続性と彼の言う継続性は、ちょっとニュアンスが異なる感じがしました。

 前者が極めて冷徹に客観的に、企業は栄枯盛衰にさらされはするものの、未来永劫存在し続けてこそその本来的価値があり、経営者の最大の使命はそのことにつきるというもの。つまり人や商品は入れ替わりながらも法人格は不老不死たれというニュアンスです。

 N氏の継続性は、人としてしっかりとした拠り所をもって、諦めないで自分の商売やり切るという意味と理解しました。つまり、自分と自分の意思の存在と重みが経営学的定義より強く強調されているように感じました。

 N氏は、いいストール作りまっせ!
 2012/03/22 09:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
それぞれの遺伝子
売変(期中売価変更)の議論でしこたま盛り上がりました。

 作る遺伝子を有するアパレルは一枚でもたくさんプロパーで売ることにこだわりますが、小売の遺伝子を有するSPAでは、一日も早くお金に換えることにこだわり、フレキシブルに売価を下げていきます。

 前者の言い分は二つあって、ひとつは丹精込めて開発した商品をそう簡単に格下げはできないという思いと、昨日まで上代で買ってくれたお客様がひとりでもいらっしゃれば、その人を裏切るような商行為は憚られるというものです。

 後者は、時価発想でその場その場でお客様と駆け引きをしているという発想です。以前は不可逆的にしか変化しなかったアパレルの販売価格ですが、いまやキャンペーンが終わればもとの価格に戻る(値下げの後の値上げ)ことも常態化しました。

 社内売買を成立させて、企画側は製造粗利を確定させ、営業側は販売粗利で勝負するという議論をしたこともありましたが、それは同一企業内で実現することはありませんでした。しかしながらOEM、ODMルートの商材は資本を超えた組織間で社内売買をしているようなものです。

 製造から販売までを一気通貫するSCMの仕組みは、どのSPAアパレルも一定のレベルまで到達したように見ええますが、売り方の部分は思想や遺伝子も含めて二極が対立したままです。どちらに軍配が上がるかというよりも、真のSPAの完成を目指して第三の答を出すこ
とが求められています。

 私の考えは、期末まで絶対に格下げを避ける顔になる商材と、どんどん価格訴求していく商材を分けて企画し、分けて販売するというものです。そうなると、大半の小売が行っているレジ値引きやカード優待が壁になりますが、それらは商品が値下げされているのではなく、店からキャッシュバックを受けていると解釈すれば、考え方としてはクリアになります。

 アウトレットの現状と将来も売り方と作り方に大きく影響を与えつつあります。ポスト平成モデルと名付けて有るべき姿を追求し始めて数年になりますが、EXITはもうすぐそこに来ています。
 2012/03/15 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
模倣の経営学
早稲田大学の井上達彦先生が、「模倣の経営学」(日経BP社)を出版されました。

 謝辞欄に名前を引用していただいたので、宣伝させていただきます。井上先生は、94年に大学院で机を並べて激論を交わしたことがきっかけで、今でもいろいろご指導いただいています。

 私たちは社会人大学院生で、しかもトライアルとしての一年コースだったので、昼間のプロパーの単位をとる必要もあって、彼ら院生と同じ授業で議論する機会に恵まれたのでした。
およそアカデミックとは言い難いロジックを駆使してその場を凌ぐ私たち社会人と、ちゃんと経営学者を目指してピュアな議論を仕掛けてくる彼らとのやりとりは、正当派の落語家と大道芸人が掛け合いを行っているかのような面白いものがありました。

 それがご縁で、井上先生はSPAビジネスの要諦を“システム時間”という概念で切った博士論文を書かれるに至り、私はというと外に対してベラベラとしゃべるなとお叱りを受けたりと、いろいろ思いで深い先生のお一人です。

 先週末、クライアントの専務にご紹介したところ、ビジネスというよりはクルマの話しで大いに盛り上がり、これまた新しいネットワークが広がったということで、めでたしめでたしでありました。

 井上先生は4月からサバティカルイヤーでペンシルベニア大学ウォートンスクールに行かれます。同大学はアキュレートレスポンスを教えていただいたフィッシャー教授がいらっしゃった、これまた思い出深いキャンパスです。当時、人事改革やシステムインフラまで背負ってしまって首が回っていなかった私は、同学への出張もフィッシャー教授の来日時のアテンドも、もっとも信頼できる部下の一人だったY氏にメチャ振りをせざるを得ず、消化不良に終わってしまったことが残念です。

 改めて情報という経営資源の特徴を考えてみたいと思います。複製自由で多重利用可能な情報的経営資源ですが、本当に重要な情報は金を出しても買うことができないと定義されます。

 はじめは外から学ぶ(模倣する)しかないのですが、学ばれる(模倣される)ことをシャットアウトしてしまうことは、自らが学習する道筋をも閉じてしまいかねない極めて危険な姿勢だと私は考えます。

 クローズドシステムはエントロピーの法則に従わざるをえません。情報においてオープンシステムを維持することがエントロピーの法則に対峙する唯一とは申しませんが、有効な手段であると思われます。

 予想通り、学者をも虜にしたK専務に改めて敬意を表して。
 2012/03/12 19:16  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
新入社員の頃のような
新入社員の頃のような一晩を過ごしました。

 同期三人での集いのひととき。一軒めでの会話は、大人の年齢に差し掛かりつつある子供の話題や、親の面倒の話やらとたわいもないところからスタートするのは常ですが、ひとりの同志が業界の為に起つというプランをきっかけに熱い議論が繰り広げられました。

 業界を支えるプラットホームの構築、人材の育成etc.素晴らしい同志がいたものです。大いに夢を語り合っていた新入社員の頃のような第一弾の議論でした。

 二軒めでは、ただのバカ騒ぎ。このごろそんな機会はめっきり少なくなってきていますが、これまた新入社員の頃のようなはしゃぎよう。さすがに日付を超えることはありませんでしたが、5時間半に及ぶ熱いひとときはあっという間でした。

 次回はもう一人の仲間を加えて関西でと約して、それぞれのフィールドに戻っていきました。
 2012/03/02 09:10  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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