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修行の続きをば
さらに5冊で修行です。

「眠れぬ夜のグーゴル」(A・K・デュードニー)

 数音痴を解消し、世の中にはびこる罠にはまらないためのトレーニング書です。
マーク・トウェインの"世の中には三種類のウソがある。嘘と真っ赤な嘘と、そして統計である」"が引用される。私たちの周りには意味を装った無意味と無意味を装った意味が充満している。その中から正しい事実を見出す能力は極めて重要だと言えます。

 とてつもなく大きな数字や小さな数字にも私たちは惑わされる場合が多いと。識字力だけでなく識数字力も不可欠だと思い知らされます。

「記憶は嘘をつく」(ジョン・コートル)

 記憶は都合よく再構成もされるし、後発的に創造もされるものだそうだ。私たちは客観的記録よりも記憶に頼って仕事をしたり、生活する場面が多い。数字は客観的事実を示しているが、その数字に至った過程や原因の分析においては、記憶が大活躍する。恐ろしいことです。

「きわどい科学」(マイケル・W・フリードランダー)

 疑似科学を徹底して戦う著者の強い思いが伝わってきます。正統科学と疑似科学の間には周縁部があるという。私たちが業務で日常的に使っているロジックやナレッジにおいても、その三つのフィールドを意識して、疑似科学を廃し、正統科学の領域に入る理論を選別する努力と技術が求められるということです。

「その科学が成功を決める」(リチャード・ワイズマン)

 世にはびこる多くの自己啓発法は、むしろ私たちを不幸に追い込む場合が多いのだと。私たちは思い込みと思い違いの洪水の中で溺れてしまうのか、無事泳ぎ切ることができるのか、その手腕が問われます。

 さて、大半の資金が消失してしまった投資顧問会社は、そもそもが真っ赤な嘘だったのか…?勝ち組ほど自己チューという研究結果が公表されました。社会生活のための資源が増え、他人に頼らないで済むようになるほど自己中心的な社会感が形作られる可能性があると研究チームのコメントが紙上に掲載されましたが、懐疑主義的に見ると次のようになります。

 そもそも、自己中心的に振舞ってきた人々が勝ち組になっただけではないのか…?と

 そして、「確率論的思考」(田渕直也)で実務的に頭の整理の仕上げを行うことができます。
科学の旅はまだまだ続きます。
 2012/02/28 07:48  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
購買力平価もどき
晩年、壮絶な闘いを繰り広げられた故杉原輝雄氏がこんなことを言ってました。昭和32年ごろのお話しです。

 宝くじの一等が100万円の時代、初任給が5000円ほどで、10万円稼ごうと思ってプロゴルファーの道を歩み始めたと。

 震災復興支援が反映されてますが、今の宝くじを5億円(繰越を入れると6億を超えるロトもありますが)とすると…。

 宝くじベースで500倍ですので、10万は5千万円で5000円は250万円となります。
プロゴルファーで年間数億を稼ぐ人はほんの何人かしかいませんが実在する一方で、初任給が250万なんて聞いたこともないし、あり得ない数字です。
 
 一時、一般社員の給料と経営者報酬の格差が議論にもなった我が国ですが、確実に経済格差は広がっています。上と下という意味ではなく、稀な事象と日常的な事象の間でとここでは言っておきましょう。

 資本主義とは、格差(搾取もしくは偏在)を前提とした仕組みであることは周知の事実です。ところが、1億総中流という一時的なパラダイスの中で私たちは、公平、平等、公正、均等などの言葉を履き違えてしまった可能性があります。やった人がやっただけという実力主義もその幻想の延長だったと私には思えて仕方ありません。

 全てはちょっとした偶然の中の揺らぎの結果に過ぎないと考えるべきです。その揺らぎがどのようなフルハウス(全容)のなかで起こっている現象であるかを正しく理解することが重要となります。

 左に壁があって、右が無尽蔵なフルハウスのなかでのゲームですから、経済的インカムは上にストレッチして揺らぎを起こすのが当然です。グールドの4割打者理論によれば、右の外れ値が大きく出るのは一般的プレーヤーのレベルが低いことに依拠するとともに、右に壁があるゲームを行っていることがその減少の原因だとされています。それは一般のビジネスパーソンのスキルが向上すれば、億単位で大きな所得を得る外れ値は減少する方向に向かうことと、右に壁さえあれば何某かのストッパーが働くことを示唆しています。

 前者は私たちの頑張りで実現可能ですが、後者は制御不能なのがこのゲームの宿命です。自分探し中です。お前は何で、何がしたいのかと!

 2012/02/15 22:59  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
まだまだ修行
年明けから知の再修行が続いています。

 「データはウソをつく」(谷岡一郎)を手にとったことからそれは始まりました。正しい手順や方法が用いられないとデータは妖怪のように化けてしまうことがある。あふれる数字や情報から本物を見分けるには…。いしいひさいち氏を数少ない本物を見分けられる人物だと、いくつかのいしい氏の四コマ漫画を引用して評価していたことが印象的でした。

 谷岡氏の参考文献全てにあたることは到底不可能なのですが、気になる推薦文献を芋づる式に読み繋ぎが始まりました。

 「社会調査のウソ」(谷岡一郎):マスメディアの発信する情報とその根拠にはよくよく注意しないと…。

 「考えることの科学」(市川伸一):人間が日常的に行う推論やロジックがどれほど合理的でないことが多いか…。

 「統計でウソをつく法」(ダレル・ハフ):なんか昔読んだことがあるぞ…。(初版は1968年でした)

 「科学とオカルト」(池田清彦):科学とオカルトが親戚のようなものだったとは…。

 「超常現象の心理学」(菊池聡):認知心理学って深いんだ…。

 「なぜ人はニセ科学を信じるのか」(マイクル・シャーマー):科学はいつも塀の上を歩いていて、内にも外にも落ち得るんだ…。

 「フルハウス-生命の全容-」(スティーヴン・ジェイ・グールド」:右の壁と左の壁、平均と中央値と最頻値と標準偏差…。この書籍がちょっとした仕上げに相当する内容でした。MDやブランドのフルハウス(全容)を正しく把握することがまさにアパレルを科学することの真骨頂だと再確認することができましたが、それがいかに難しいことであるかも同時に認識させられた次第です。もちろんトレンドや街や館の盛衰も同様の視点から見ていく必要があります。

 間にちょっと浮気もありました。(ある人から薦められた書籍です。

 「日本辺境論」(内田樹):わかるわかる…。

 「絶望の国の幸福な若者たち」(古市憲寿):日本という国家のフルハウス(全容)は絶望的であるが、そこに暮らす人々のミクロな生活感としてはそこそこ満足ということは…。

 年明け打ちっぱなしに一回行っただけなので、こんな座学も。

 筑波大学で誕生した「まったく新しいゴルフ理論」(安藤秀):コンバインドプレーンと言われてみればそうかも…。ただ腰の調子が今一なので実践は春以降になりますが。

 まだまだ修行は続きます。
 2012/02/13 09:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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