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イノベーションの先行指標
電子書籍のプラットフォームで勝ち組は誰になるのか目が離せません。

 時間的に若干先行したアマゾンは、電子ブックを低価格で提供するといいう戦略です。後発のアップルは価格決定権は出版社に委ねて手数料を取るという方式です。さらに対極にはオープンプラットフォームを標榜するグーグルがあります。

 アパレルの流通に当てはめると次のようになります。

 アマゾンは、卸モデルを低価格で展開していることになり、言ってみれば銀座松坂屋にフォーエバー21が卸で商品を供給しているようなものです。

 アップルは消化仕入れ方式で売り場を貸している百貨店モデルに近いと言えます。いずれにしても流通を垂直統合しようとする点では、アパレル業界で進展してきたSPAモデルと共通する点が多々あります。

 最後のグーグルは、水平統合的とフリーという点でモデル的には異なりますが、ポジション的にはファッションビルや駅ビル、エチカに相当するビジネスモデルキラーだと考えられます。

 私たアパレル業界が次なるビジネスモデルを議論するに当たって、近似的で示唆に富む熾烈な戦いが電子書籍の業界で繰り広げられようとしています。

 検討の軸は次の二点です。第一は、誰がどんなプラットフォームを梃子にして、それをどちらの方向(垂直or水平、もしかしたら斜め?)に統合するのか。第二は、フリー経済の議論に象徴されるような、付加価値と対価(費用)のパラダイムチェンジをどのように伴うのか。

 それら、二軸が織り成す新しいテキスタイルをまとった企業が次の勝ち組になることは明らかです。さあて、未だ誰も見たこともない生地を、どう企画開発していきますか?
 2010/05/31 10:33  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
私たちは何様ですか?
沖縄をめぐる議論がホットです。

 “見放す”とか“切り捨てる”という活字が紙面を躍り、太平洋戦争時の本土の振る舞いと戦後の経緯が引き合いに出されます。しかしながら、私たちは少なくとも1609年まで立ち戻らなければなりません。その年に薩摩藩が奄美大島から沖縄本島に進軍し、琉球王国の首里城は開場されました。

 その後、琉球は薩摩藩と清国への両属という形をとりながらも王国としての独立性は維持してきました。明治になって廃藩置県により王族による支配は終焉するにいたりますが、140年ほど前まで立派な独立国家であったという事実を忘れてはなりません。

 このように独立国家であった琉球を勝手に併合した経緯があるわけですから、それをまた見放したり切り捨てたりという論調があるとしたら、一体私たちは何様なのでしょうか?

 「坂の上の雲」を見ながら、“帝国主義”という解説が聞かれるたびに、横で嫁はんが呟いていた言葉が印象的です。「当時は、国も国民も中学生レベルだったからね…」確かに、棒きれを携えて、メンチを切った切られたの縄張り争いを、中学時代にやっていた記憶はあります(笑)。

 全面核戦争の勃発をTimeXとして、今何秒前まできているという数字を見聞きすることがあります。また、地球の歴史を24時間だとすると、人類が現れたのは23時58分頃に相当するというのは有名な話です。ちなみに生物の誕生は午前5時頃とされています。

 さて、今の国際社会とそれを構成するそれぞれの国は、いったいどのレベルにあるのでしょうか?少なくとも日本は、中学生のまま学年がひとつ進んだ程度にしか思われません。米国はまだまだやんちゃな高校生だと考えられます。唯一の大人は北欧諸国ではないかと。

 すぐ隣に、義務教育を放棄した暴れん坊のガキと、超とび級によりいきなり高校大学レベルになろうとしている大国を控えているわが国が中学生ではどうしようもないですよね。

 沖縄の人々には、誇りをもって断固対抗してもらいたいとともに、私たち国民は大いなる大人としての振る舞いが求められています。

 大阪の知事さんを支持する立場ではありませんが、すくなくとも安全はタダではないという主張に対しては賛成であるとともに、大人としてはそれは当然認識すべき事柄のひとつだと考えます。
 2010/05/29 09:54  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
iPadその後
iPad発注しました。第一陣には乗れなかったようなので、納期は6月7日です。

 日経トレンディでも特集されていましたが、スマートフォンは今は買い時の狭間のようです。iPadはPCとスマートフォンの中間のポジショニングで、電話としては使えないし、PSを繋がないとファイルやコンテンツの管理はできない中途半端系とも評されていましたが、iPadを通じて以下の事柄を検証してみたいと考えています。

 1)複数の雑誌、書籍が一台のiPadで持ち歩ける価値が私のようなビジネススタイルの人間にとってどれほどの価値があるか

 2)通信はポケットWifiに切り替えて、ついでにSOHOのADSLもそれとのセット割引に変更してトータル通信コストを下げる

 3)iPadでは使えると言われているMacの表計算、文書作成、プレゼンテーションソフトを使ってみる

 4)プリントアウトもせずデジカメと携帯で撮りっぱなしで終わっている、ここ10年ほどのデジタル画像を整理する

 5)多くのユーザーのメインユースになるであろう動画、音楽、ゲームは、ちょっとだけかじってみる

 アパレル業界では、フォトショップやイラストレーターを使うクリエイティブ系の職種の人々にMacはド定番です。にも関わらず、事務系の仕事には大抵マイクロソフトのアプリケーションが使われています。OSはウィンドウズなんだけど、デザイナーのところや宣伝部に何台かだけMacがある、という光景はアパレル業界の日常的オフィス風景です。

 ロジック系の事務ワークにどれだけMacが使えるか試してみて、業界にITインフラの持ち方、使い方のディファクトを提言できるといいな、くらいの大志ではないですが中くらいの志で、まずは遊んでみることにします。
 2010/05/24 08:25  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)
やっぱ顔ってありますよね
やっぱり、それぞれの業界や企業の顔ってありますよね。
                 (09年4月14日付ブログを参照して下さい)

 昨年からお世話になっている大手生保の新任管理職研修で“目標管理”の研修をやらせていただきました。これまで100名以上の管理職の方々と終日の研修をご一緒してきましたが、同社にも独特の顔があるようです。

 どこかでお見受けしたような気がしてならない方が何人かいらっしゃって、そのうちのお一人に「以前、私が担当した別テーマの研修に出ておられましたか?」と聞いてみましたが、初めてというご返事でした。デジャブとは異なる、見た顔という印象を複数名の受講生から受けました。

 それは、狩猟系というよりは農耕系で、派手なスタンドプレーをするような目立ちたがり度は皆無で、でもいざとなったらとても頼りになる力強さと温かみが感じられる、そのような雰囲気が同社の管理職層の社員の顔からは発散されています。

 たまたま同日に二年目の社員を対象にした他のカリキュラムも開催されていたことから、その世代の社員の方々も同時比較して観察することができたのですが、彼らから同じ種類の雰囲気を感じ取ることはできませんでした。新入社員の研修も二年続けて担当させていただいていますが、そのような顔を意識させられた記憶はありません。

 スーツもヘアもちょっとファッショナブルで、今風の爽やかな若者達ではあるのですが、それ以上の個性が伝わってくることはまったくないのです。

 40代から50代にもなっていくと、人間の顔は人生が作ると言われます。社員の顔は業界や会社(の風土や文化)が形成していくものだと考えられます。したがって、業界や会社をリードする立場に居る人々は、業界人や社員の顔に敏感でなければなりません。

 この歳になると、その人の顔を見ただけで善人か悪人か、ちゃんとお付き合いする価値がある人かどうかは、かなりの確度で見抜くことができるようになりました。

 当然、ショップやブランドにも顔に相当するIDは存在しますし、それはマーケットや消費者に見透かされてしまいます。皆さんのブランドやショップには顔がありますか?それはいい顔してますか?

 売れ筋を追いかけることも短期では重要な業務ですが、商品も含めて上位概念に相当する店やブランドや事業や会社の顔のチェックを怠ってはなりません。
 2010/05/22 10:50  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
新たな同志との出会い
久しぶりに某事業再生企業の面々と議論する機会がありました。

 およそ一年ぶりとなる前職時代の後輩M氏との再会も嬉しかったのですが、アパレルチームの一員として紹介されたT氏もナイスガイでした。

 彼は、大学時代からアパレルにしか興味がなくて、就活においても西のW社と東のTS社しか受けなかったという筋金男です。その後、外資系ブランドのMD、超大手専門店チェーンのネットビジネスなどに携わり現在に至っておられるとのことです。小一時間しか議論できませんでしたが、今後のアパレル業界の目指すべき姿について大いに話が盛り上がりました。

 どうしても現実的目先の議論としては、どこか有力な投資先はないか?売買の対象となる会社や事業はないか?アパレルやブランドビジネスにおける成功モデルはどうなる?などの話題が先行しがちです。

 しかしながら、その前に歴史的経緯と現状をしっかりと踏まえた上での本質的なあるべき論が先にあって、それに基づいて業界内の再編のあり方や新しいビジネスモデルの仮説が見えてくるのだと私は考えます。

 そんな熱い議論を繰り広げられそうな新しい同志がまたひとり増えました。次回のアパレル同志の集いが楽しみです。

 7月には、大手ITベンダーさん主宰の合宿セミナーにて基調講演をやらせていただくことになりました。お題は、「次世代アパレルのビジネスモデル(ポストSPA)」というような趣旨になる予定です。いい機会ですので、私たちの考えるところを形式知として表現してみるつもりです。

 昨日は、明治通りにリニューアルオープンする帽子ショップのレセプションにて先輩K氏と数年ぶりにお会いすることもできました。出会いの5月19日でした。
 2010/05/20 07:37  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)
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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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