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率と額のジレンマ
通販ビジネスをやっているときに感じたジレンマがあります。

 300円の通販媒体こそクレジットで買ってくれて、商品を30万円買ってくれる人は代引を使ってくれるとありがたいのに…

 クレジット料率が仮に3%だとしたら、前者は9円、後者は代引だと1050円、クレジットだと9000円の手数料負担となります。

 今、歩率破壊が始まりつつあります。もともと海外のスーパーブランドはプレミア歩率で商売をしてきましたが、国内勢ではかつてセレクトショップが百貨店の歩率に穴を開けたものの、その後アパレルの歩率は高騰する一方でした。ここにきて国内の新興勢力ユニクロや外資のファストファッションが、どのような条件で各館に入っているのか、入るのか。

 既存のアパレルも負けじと歩率交渉に臨む動きが活発になりました。試しに横軸に売場面積を、縦軸に坪効率をとった店舗別散布図を作成して眺めて見て下さい。

 10〜20坪で100万円クラスの坪効をたたける左上の象限に分布する店は、銀座の固定家賃を十分払える水準です。右下の40坪超で20万の坪効を大きく下回る店が10%の歩率ならの土地建物の底値に近い金額ということになります。

 サプライチェーンの参加者と消費者の間で、何を固定化して何を変動化して、どんなリスクと価値を張り合い見合わせていくのかの戦いこそが新しいバリューチェーンの創造に繋がります。

 ユニクロも海外勢ファストファッションもインダストリーのコストメリット(規模の経済性)を最大限消費者に還元するビジネスモデルです。はたしてファッションを標榜する私たちは、どのような価値をいかなるビジネスモデルに転換してで消費者に対峙するべきなのでしょうか。少なくとも単なる率の引き下げではないはずです。

 また、私はキッザニアの好調にも私たちが見習うべき大いなるヒントがあると考えています。彼らは子供を子ども扱いしないことと、フェイクではなくリアルにこだわること、現場で親に介入させないことで、子供達と親の心をつかんでいます。つまり、消費者をマス扱いせず個として尊重すること、ホンモノにこだわること、日常とは別の世界を演出することがインダストリーではないファッションを提供する者には求められているのです。

 コンビニで電子マネーで決済するたびに、FCオーナーさんの薄い粗利をさらに削ってしまい、申し訳なさげに店を後にするのは私だけでしょうか?
 2009/09/30 08:29  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
CRMの進化
RFM分析とは、直近購買と一定期間内の購買頻度と同じく購買金額累計で顧客をセグメントするCRMの基本です。

 その昔、通販ビジネスを立ち上げるにあたり、当時のシムリーさんやムトウさん、千趣会さんや二光さん、西友さんなどと様々な議論をさせていただいたことが多くの糧になっていますが、なかでもTSUTAYAさんから教えていただいたRFMは強烈に印象に残っています。

 今となっては、さらにロジックは進化しておられると思いますが、RとFとMとそれぞれ7つのセグメントを切って、合計343のセルに顧客を分類して管理しているとのお話しを聞いて、目が点になったことを昨日のように思い出します。

 翻って、私が社外取締役を勤めさせていただいているベンチャーが顧客管理のギアを一段アップさせるプロジェクトに取り組んでいます。

 顧客期間とカテゴリー履歴とロス期間に拠って、独自の顧客セグメントを発見し、それに基づくCRMを展開しようとするものです。まだまだ、やわやわの仮説の段階ですが、そこから得られる新たな知見と効果測定が今から楽しみで仕方ありません。

 知識の伝承と進化を目の当たりにするたびに、知的ビジネスの世界に生きていてよかったと実感させられます。

 片や老舗アパレルの事業責任者の方と、アウトレットロジックで大いに盛り上がりました。前職時代に散々議論した「QDロジック」なのですが、アウトレット業態が氾濫ステージに差し掛かった今となっては、基本形の議論がおざなりにされていることに対する危機感を新たにさせられたのでした。

 QDロジックの詳細を活字でご案内(その頭文字の意味すら)するわけにはいかないところがもどかしいですが、深いですよ。

間違えないでね、アウトレット。
 2009/09/28 21:29  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
KKDDH
いろんな方が似たような言い回しを使われますが、私は「KKDDH」と言います。

 KKDは“勘と経験と度胸”の意味で、これは定番です。次のDは“どんぶり勘定”の意味で、ここまでは時々耳にします。

 最期のHは“はったり”です。全部合わせて、「勘と経験と度胸とどんぶり勘定とはったり」という、どこかの業界をそのまま表した表現になります。

 伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏が日経ビジネスのコラムで次のように引用しておられます。「米国有力紙によると、成功する人材の条件で大切な要素は“知性”ではなくて“根性”と“徳(良心)”だ」と。

 気合と根性から命名されたのがかつての“キアコン”ですが、KKDDHも実はまんざらでもないのかもしれません。KKDDHをことごとく否定するのがロジックやデータを重視するSPAビジネスですが、SPAプラットホームに根性と徳を搭載することは極めて困難です。

 SPAの雄である企業の常務と羽田から浜松町に向かう道々、次のような議論がありました。次なる世代の若手を育てなければならないが、彼らにめっきり足りなくなったことに「リスクを張ってチャレンジすること」「手をつけたことをやり切ること」、そして「成功体験」があり、それらを伝授していくことは極めて難しいと。

 リスクを張っったりやりきることには、度胸やはったりや根性が関係しています。成功体験は徳よりも天狗の鼻に通じる勘違いと表裏一体の両刃の剣です。

 情報システムや業務フローそのものではなく、それを駆使する人間力が問われています。中でも、根性と徳に着目してみませんか。

 2009/09/25 07:29  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
本当の危機管理
グルーマーが、犬に噛まれるというアクシデントが発生しました。

 早速、ショップで起こりうるいろんな事象を想定して「危機管理マニュアル」を整備しようという議論になりました。

 それはそれでOKなのですが、果たしてマニュアルの存在がリアルな危機状況でどこまで役に立つのでしょうか?

 先日発生したヘリコプターの二次遭難事故では、ワイヤーロープでまさに吊り上げられようとしていた隊員が、上空の異変に気付いた瞬間にハーネスを外して難を逃れることができました。曰く、訓練をしていたので、その通りに動くことができた、と。

 つまり、ルールとしての対処方法が頭に入っているだけではなく、体が覚えていないと本当の危機的状況においては役に立たない可能性が高いということです。

 さて、本日より日本が変わります。マニュフェストは現時点では絵に描いた餅に過ぎません。リアルな社会事象に対してどれほどの対応能力を発揮できるのか。

 実地訓練が行き届いてないことを言い訳にせず、頑張ってもらいたいものです。
 2009/09/16 08:40  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
言葉は世代を超えて
ある日、嫁はんが愕然としていた。

 16歳になる次男が、「そんなもん、アマチシゲル(天知茂)や」と口走ったそうな。そういえば、彼が小さい頃から何度も私が口にして聞かせていたような気も…

 彼女は、世代を超えて言葉の文化が継承されていることに驚いたのではなく、次男がもし同世代の仲間の前でそのフレーズを使ったとしたら…という場面を想像して空恐ろしくなったそうな。

 天地真理ではなく天知茂なのは、非情のライセンスのあの雰囲気がニュアンスにピッタリだったからだと思うのだが、いまでは十代で使いこなせるのはウチの息子くらいなのではと思う。

 「当たり前田のクラッカー」は、極力東京では使わないようにしているが、先日神戸で口走ったところ、30代前半以下の世代には総スカンをくらってしまった。

 岡山の方言系では、「庇がぶりぶりしている(久しぶりに会った人に対して)」、アパレル系では、「腹ヘリンボーン」などがあるが、TPOを間違えると場が凍りつく。

 私たちのころは「余裕のよっちゃん」だったのが、現代では「余裕のゆうちゃん」。時代背景を反映させながら言葉は受け継がれ、そして変化したり廃れもする。

 マージャンで危険牌が通ったときの決まり文句は、「セーフ自民党」だった。雀荘で「セーフ民主党」という安堵の声がこだまするようになるまで政権は持続するのだろうか?

コーヒーブレークを連続しちまった…
 2009/09/11 19:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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