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合従連衡は訪れるか?
キリンとサントリーのニュースは、解散予告という裏ワザの報道に霞んでしまいましたが、冷静に考えると大ニュースです。 これがキリンとアサヒの話しだったら、天地がひっくり返るような超大ニュースになりますが…

 本日明日と、大手企業同士の合弁による建築資材系の企業の管理職ベーシック研修を担当させていただいています。新会社の枠組みになってからのプロパー社員の方が、初めて対象になる年度にあたるのですが、以前ご一緒させていただいたときと共通の印象と、少し異なる印象が共存しています。

 おそらく、それぞれの元の親会社の企業文化が融合しあいながら、新しい文化を定義して、さらには、その新しい文化に最初から 飛び込んできて新しい価値を創造していくというプロセスが進行しているに違いありません。

 M&Aにおいては、形式的には人事制度の整合性をとることが、片や本質的には異なる文化、風土の融合を図ることが大きな課題のひとつとされますが、そのことを上手くハンドリングできているケースは少ないようです。

 キリンとサントリーに事例からは、少なくとも新しい業界秩序を形成すべく、文化と風土の融合を図ろうとする経営者の思いが伝わってきます。

 そのような大儀を伴わないM&Aがいい結果をもたらすことが少ないことは火を見るより明らかです。アパレル業界においても多くのM&Aの事例や企業再生の事例が見受けられますが、業界を揺るがすようなインパクトに結びついている事例は見当たりません。

 今こそ、業界百年の計を睨んだ、合従連衡が求められているのではないでしょうか?とはいえ、経営者は、異なる時間軸の異なる価値で縛られている可能性が高いので、そのような歴史的変革が訪れることは滅多にないのですが…

目指せ、勝海舟!
 2009/07/14 20:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
お腹落ち度満点
発足以来10年を迎えた、とあるアパレルの新規事業の見直しの議論に目処がたちました。

 本来であれば、事業の評価や戦略策定には、多くのフレームワークや膨大な数字と格闘するところですが、事業責任者の方をはじめ現場メンバーの皆さんの暗黙知を引き出して、それをインテグレートするというショートカット手法にトライしました。

 もちろん、ある程度の数字やマップなども駆使しましたが、昨日、責任者のY氏、MDのT氏、スタッフのO氏ともども関係者みんなが、たっぷりとお腹に落ちる方向性を見出すことができました。

 あとは、クリエイティブディレクターと店頭を背負っておられる店舗MDの方とのコンセンサスをとるのみです。

 ミーティング後の宴は、手羽先の唐揚で有名な「鳥良」の青山店です。 
  http://www.samukawa.co.jp/toriyoshi/

 10何年かぶりに訪れましたが、なんと名物の唐揚は二本食べれば十分でした。若い頃は一人で二人前(10本)くらい食べた記憶があるのですが、いやぁ歳とりました。

 でも、二次会はバーボンのハイボールで終電まで。MDのT氏とは思わずハグのご挨拶でお別れしました。皆さん、つっかえていたものがスコーンと取れたのでしょう。よかったよかったです。

 本件以外にもお世話になっている案件がいくつかありますが、いずれも本部スタッフのS氏の絶妙のコーディネートとF氏の超エクセルがあっての賜物です。

今度は「丑」の店にしましょうね。

 2009/07/11 16:28  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
続リーダーシップ論
 金井先生のリーダーシップのパイプラインに関する議論をご紹介させていただいて以降、最初のリーダーシップに関する研修を先週今週と二日間担当させていただきました。

 私自身、どのようなメッセージを受講生の方々に発信することができるのか、楽しみにしていましたが、今回はその一部をアップいたします。

 パートナー講師として研修をお手伝いさせていただいているアライアンス先は、とてもしっかりとしたコンテンツとプラグラムの進行を企画して下さるので、いつも安心して登壇するのですが、そこはそれで、講師のアドリブと行間を埋める力量が研修の成果を大きく左右することは否めません。

 私が登壇する際には、細かい脚本を頭に叩き込むのではなく、大きなイメージを描いて、あとは即興(アドリブ)、言い換えれば出たとこ勝負なのですが、それは決していい加減という意味ではなく、柳生新陰流の極意にも通じる立派な流派(作法もしくは戦い方)とも言えるものなのです。(その詳細については、別の機会ででも…)

 さて、今回のリーダーシップの議論で、私が即興で伝えたメッセージは、以下の通りです。

 1)会社のポストや職責のように外から与えられたものをベースに義務を果たすことではなく、自らの意思として内側から湧いて出てくるものを厳選とする極めて主観的な作用であること

 2)リーダーシップとは、5歳の子供でも発揮できる“言いだしっぺ”に過ぎないこと(金井先生の受け売り)

 3)それは、(1)塔を示し、(2)道筋を明らかにし、(3)橋をかける(決して梯子を外さない)こと(研修のテキストのまんま)

 4)そのためには、メンバーや組織内の情報の偏在を解消し(経済学の応用)

 5)決して論理性や経済合理性に沿う合目的的な判断をくだすことのない人間を相手にした(ゲーム理論の応用)

 6)必ずしもリーダー自らが決めたり実行する必然性はなく、決め方や進め方を決めることができれば立派なリーダーであり

 7)その際に、質問する能力はとても重要なコンピテンシーで、それにはオープン型とクローズ型があり(自由研究とマークシート)

 8)実は私たちが俗語で“決める”表現している事象にも二通りあって、それは判断することと決断することであり

 9)さらに言うと、決められる人、できる人、すなわち専門家を動員する力もリーダーの一側面であり

 10))リーダーは、平時においてはメンバーや担当者が判断できる環境づくりに邁進し、戦時(緊急や突発やイレギュラー)において自らが決断することがその業である

 即興とはいえ、一応の流れはあったようで、こうしてレビューしてみて安心いたしました。深いです、リーダーシップ。


 2009/07/07 23:34  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
価値と価格
大事な携行品を忘れて、神戸空港から自宅に引き返した上で、新幹線で東京に入るというアクシデントがありました。

 前日の夜入りのパターンでしたので、神戸空港18:15発の便は、万一のときは新幹線に余裕で振り替え可能という状況で、フェイル・セーフは効いていると考えていたのですが、それが自分の忘れ物で効果を発揮するとは…トホホ。

 自宅までのタクシーのドライバーさんから、「沖縄便ですか?」と聞かれ、いやいやと事情を話すとえらい恐縮してくれましたが、道々いろんなお話しを聞かせてくれました。

 一つ前の羽田からの到着便ではタクシーにのった客はたった一人、当の運転手さんも私を乗せるまで二時間半の待機だったのだそうです。三ノ宮の繁華街もガラガラで、タクシー業界も大変なことになっているそうです。それでも、前の物流センターの仕事に戻るのは嫌なので、のんびりやりますわ、とのこと。

 長い待ち時間のおかげで、下から見上げる各航空機の離着陸の風景にはとても詳しくなっておられるそうで、赤や青は上手に操縦しはるけど、もうひとつのは見ていてヒヤヒヤするのだそうです。

 滑走路ギリギリまで大爆音を轟かせて逆噴射しまくりで、ようやくタキシングのスピードになるそうです。あるときは着陸寸前まで斜めの姿勢で、見ていた仲間みんなと直前まで、オイオイと思っていたそうです。当該航空会社での出張を推奨していない企業もあると聞かされました。

 平時に必要な能力と緊急時のそれは、また異なるものですから、この話しをもってして一方的に何かを決め付けることはできませんが、価格と何かの価値が引き換えになっていることは間違いのない事実です。

 私たちは、価格の「高い安い」の他極に、どうしても「いい悪い」という価値軸を置いてしまいがちですが、顧客にとっての価値はもっと多様なもので、その結果として、その顧客にとってのいい悪いが決まるものだと思います。

 アパレル業界でも、価格破壊は進む一方ですが、上代を下げたり原価を絞ったりする議論の方が先行して、私たちが顧客に提供している価値に対する議論が少し疎かになっているような気がしてなりません。

 消費者は価値を認めたものには、お金を払わない訳ではないのですから。ある社長が言ってました。家族4人で「シルクドソレイユ」を見に行って、一日で食事も含めると5万円ほどの出費だったけど、損をしたり多大な出費をしたという感覚はゼロで、ほどよい充実感が残ったと。

 そんな精神状況とお財布状況の顧客と対峙しなければならないので、イクスピアリの物販は並大抵では勝てないというオチでした。

 2009/07/06 09:38  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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