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逆説フレームワーク
「イソガバ、マワルナ」は石川遼君のブログですが、「急がば回れ」と「急がば回るな」を並べてみると立派なフレームワークになります。

ロジカルシンキングの講義の際に受講生からよくでる質問が二つあります。
 1)「MECE」の使い方が難しいが、どうすれば上手に使えるようになるか?
 2)どんな場合にどのフレームワークをあてはめればよいのか?

“MECE”とは、モレなしダブリなしという、ロジカルシンキングのもっとも重要な原理のひとつです。フレームワークには、マーケティングの4Pや、AODMAなどがあります。

諺や定説を逆説で言いまわして並べるだけで、MECEを満たすフレームワークになります。

 若いときの苦労は買ってでもやる−若いときの苦労は金出してまでやらない
 若いときの苦労は買ってでもやる−齢を重ねたいまだからこそ買ってでも苦労する
 石橋を叩いて渡れ−石橋を叩きすぎて渡る前に橋が落ちた
 死んでもやめない−死ぬ前にやめる(for喫煙家)
 走りながら考える−走る前に考えろ
 後ろを振り向くな−前を見るな
 親の心子知らず−子の心親知らず
 大船に乗った気持ち−小船に乗った気持ち
 心頭滅却すれば火もまた涼し−心頭滅却しても火は熱い
 門前の小僧経を覚える−本堂の住職経を知らない

公私問わず、真面目不真面目問わず、使い勝手のよいフレームワークがすぐ手に入ります。
 2009/01/28 09:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
オバマさん、失礼
少しがっかりしたと申し上げたオバマ氏の就任演説ですが、紙面だけでなく映像をじっくり拝見させていただいたところ、「友」というキーワードが発信されていました。

 大変失礼いたしました。きっとあなたはやってくれると期待します。新しい手段で新しい挑戦へと立ち向かう、一挙手一投足に注目しましょう。春はかならず訪れます。
 2009/01/22 07:59  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
セオリーの三階層
セオリーといってもファッションブランドではなく、理論、学説、論旨のお話しです。

 オバマ氏の就任演説では、「新たな責任の時代」が説かれました。どのような責任なのかをもう少し具体的に聞かせてもらいたかったという点では、物足りなさを感じざるをえませんでしたが、前任者がブッシュ氏であるだけに、内外の期待はいやおうなく盛り上がってます。

歴代大統領のそれを紐解いてみます。
 リンカーン:誰に対しても悪意をいだかず…(人種問題とそれに伴う南北問題の議論)
 ルーズベルト:恐れるべき唯一のものは恐れることそのもの…(大恐慌に対して)
 ケネディ:国家が何をしてくれるかではなく、あなたが国家のために何ができるか…(権利義務のパラダイムの議論)
 レーガン:連邦政府の規模と影響力を抑制…(小さな政府の議論)
 クリントン:米国再生に向けて…(ただの元気付け)
 ブッシュ:正義と機会に満ちた一つの国家(法廷闘争になった大統領選に対するただの反省)

 議論(セオリー、学説etc.)のレベルには三つの階層があります。第一は“グランドセオリー”と呼ばれるもっとも上位に位置する大概念で、天動説に対する地動説や、経営学におけるテーラーの科学的管理法などがそれにあたります。
 次の階層は“中範囲の理論”と呼ばれ、地動説に基づいて月の満ち欠けや日食を説明する理論がそれにあたります。経営の分野では、マクレガーのX理論Y理論などが相当します。

 最後の階層は、中範囲の理論をさらに具体的に展開した個別のセオリーを指します。我々が日常耳にする政治や行政における個別の政策の議論はほとんどがこのレベルに属しています。

 グランドセオリーは数十年に一度、中範囲の理論は数年に一度の議論と言われます。経営学を学ぶ過程で、せめて新しい中範囲の理論を模索することが研究者の研究者たる所以と教えられました。社会人の私たちはプロパーの研究者ではないので、個別の議論に終始してしまうので常でしたが。

 さて、各大統領の議論のレベルは如何に?クリントンとブッシュは論外。リンカーン、ルーズベルト、レーガンは中範囲の理論にちょっと近い。さすがケネディはグランドセオリーを彷彿させます。オバマ氏には、是非とも新たな責任の中身をグランドセオリーで示してもらいたいものです。数十年続いた“パックスアメリカーナ”からの脱却、世界の警察などと言わず、世界の隣人、友人としての新しいアメリカを期待します。

 翻って、わが国の政治家は…。定額給付金の受け取りがどうの、国会でのデジカメ持込がどうのと、個別具体的政策のさらにその下の議論で右往左往。なぜ、日本の政治家の演説が心に響かないのか、そのひとつの理由がおわかりいただけましたでしょうか。小泉さんの「自民党をぶっ潰す」が国民に響いたのは、脱パックスアメリカーナと同義の55年体制からの脱却を示唆していたからですが、息子を跡継ぎにしたことで、全ては無に帰しました。

 アパレル業界における「作ったものを売るのではなく、売れるものを作る。そのビジネスを支えるプラットホームはSPA業態である。」は立派な中範囲の理論でした。次なる中範囲の理論は何か。その答えを追々明らかにしていきたいと思います。
 2009/01/21 09:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
アウトレットよお前もか
直近の三連休の状況は未入手ですが、年明けのセールも芳しくありません。

 元旦は例年以上に福袋が賑わったようですが、二日以降失速。五日になって昨年の土曜日の同日を上回る店舗が出るなど、セールでも消費者の財布の紐は固いとともに、消費パターンが見えにくくなってきています。

 プロパー店舗がそうなることは想定内のお話しですが、ついにアウトレットにも逆風が吹き始めました。同様に元旦はいい状況でしたが、二日以降は苦戦が続くと聞きます。人はたくさん来ているけれども、いらないものは買わないと決め込んでいるようで、アウトレット業態でも思惑外れのショップやブランドが多数出てきています。

 アウトレット業態はあと一年くらいは元気がいいのでは、と考えていたのですが、思ったより早く時計は進んでいるようです。金融危機や、それに伴う経済情勢が主たる要因と言いたいでしょうが、時計の進行を早めている重大な要因が、実はアパレル側にもあることを忘れてはなりません。

 アウトレット向けの企画とモノ作りというパンドラの箱を開けたのは、アメリカンカジュアルを得意とするセレクトと言われていますが、当然賢明な消費者には見抜かれます。そもそもアウトレットの価値は、少しだけ販売時期がずれているだけで、旬のいいモノが少し安く買えるというところにあったはずです。。

 その語源はファクトリーアウトレットですので、工場で発生した未引取り品やちょっとした不良品がお買い得価格でマーケットに放出されたことにその起源があります。ジーンズや学生服の産地である倉敷市の児島で開催される「繊維祭」などが本来のアウトレットです。アメリカでは、ストアが不良在庫を早期に処分する業態はオフプライスショップと呼ばれたのですが、彼の国でもわが国でもアウトレットが一人歩きして発展した歴史的経緯があります。

 94年に米国のウッドベリーコモンを見たときの感動は今でも忘れません。プロパー比して全く遜色がなディスプレイが施されたモールにプロパーと見紛うほどの商品が所狭しと並んでいたからです。当時のバナリパはめちゃめちゃイケテましたし、TUMIにグリーンやブラウンがあることを知ったのもその時でした。

 十数年の時が経過して、アウトレットが本来のドメインを超えて暴走をし始めたと感じるのは私だけでしょうか?プロパー商品の生産掛率(原価率の逆数)も年々大きくなる一方で、閾値を超えてしまっています。

 繰り返します。いいモノが、ちょっとだけ旬をずらしてリーズナブルに手に入るからアウトレットなのです。プロパーでいいモノ作りができておらず、売らんがための旬の専用商材を企画して投入することが横行するとアウトレットのIDが失われてしまいます。IDがなくなった業態から消費者が去っていくことは自明の理です。

 複数のファッション企業の現場でアウトレット向けの商材企画のお話しを聞くたびに、「それをやっちゃぁ、おしめぇよ」と言い続けてきましたが、聞き入れられた事例は皆無です。

 このままでは、爆走の末、群れ全てが崖下へ転落しかねません。求む、賢者出現。
 2009/01/13 09:38  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
やっぱ人ですね
不況が長引けば長引くほど、安定して人を採用し、教育研修を怠らなかった企業が生き残る。

 昨年の神大シンポジウムで加登豊先生が冒頭の挨拶でおっしゃられた言葉でした。ちなみに、「加える、登る、豊か」という、こんなご時勢になんと縁起の良い姓名かと、加登先生はご自分でアピールしておられました。(笑)

 さて、年末から年始にかけて立て続けに2月〜6月に開催予定の社員研修の打ち合わせを行う機会がありました。

 業界としては、総合商社、生命保険、IT等の大手クライアントさんなのですが、全ての企業に共通していることは、人事の責任者の方の社員教育に対するコミットの強さとご担当者の方々の熱意の高さです。

 内定ですら取り消しが乱発されるこの時代に、それらの企業は必死で人を育てようとしておられるのです。
 シンポジウムでのテーマは、イノベーションと人づくりは車の両輪であるというものでしたが、まさにそのことを愚直に実現しようとしている企業がたくさんあることに心を突き動かされます。

 アパレル業界でも“仕組みの競争力”と言われて久しいですが、仕組みは天からは降ってきませんし、他社の仕組みを猿真似しても、それは何の優位性も発揮しません。

 その会社ならではの新しい競争力の源泉となる仕組みを創発することができる人を作り続けることが、組織が存続するための第一義的必要条件であると私は考えます。

 このようにもっとも大切な経営資源であるヒトが職場から離脱せざるを得ない状況が暫くは続くと考えられますが、いま経営者が考えなければならないことは、自社のバリューチェーンから人の手による単純労働をできるだけ排除して、人ならではの付加価値業務の連鎖に変革していくことではないでしょうか。
 2009/01/08 09:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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