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帝王学
中国の「十八史略」の中で帝王学の三つの柱が語られています。

 1.原理原則を教わる師をもつこと
 2.直言してくれる部下をもつこと
 3.よき幕賓(ばくひん)をもつこと

 私が最初にこの三つの柱を教わったのは、新入社員の頃の直属のボスからでした。その方からは多くのビジネス上の原理原則を教わったので、文字通り彼は私に対して柱の1を実践しておられたのですが、振り返れば、当時の周辺の企業トップを見回して、それらができていないことを憂う意味で私に話をされたのだなあと、当時を思い出します。

 もっとも困難なことは二つ目の柱の“直言できる部下”です。トップの姿勢もさることながら
部下の側の振舞い方にも細心の注意が必要で、十八史略でも“よき直言できる部下のありかた”について次のように教えられています。

 第一にどんなことを言っても誤解がないこと、第二に全く私心がないこと、第三に信念に基づき反復連打すること。

 当時の私にとっては、幕賓という言葉はうまく理解できませんでした。幕賓とはパーソナルアドバイザーのことで、トップのために役には立ちたいけれど、トップに仕える武士になるよりは素浪人を好むというタイプの人材のことを言うそうです。

 いまこうして、様々な業界の様々なトップの方々と接していると、よき幕賓にならねばと、20年前のボスの教えをしみじみとありがたく思う次第です。

 さて、次なる大阪府知事はブラウン管を通じて多くのメッセージを投げかけておられます。たしていかなる帝王学を披露してくれるのか。また、大阪府に直言できる部下がどれくらいいるのか、関西人としてはその行方を楽しみに見守りたいと思います。
 2008/01/28 20:08  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
ルネッサンスの予感
 アパレルを科学する議論は久々になりますね。一般に科学に必要な要件は、「再現性」と「反証可能性」と申し上げましたが、アパレルを科学するにあたり、私は「再現性・継続性・継承性」と「検証可能性」と定義しています。

 「再現性」とは文字通り、成功パターンやモデルは時と場所を変えてもいつでも再現することができるし、逆に失敗パターンは二度と繰り返さなくて済むということを担保するものです。

 「継続性」とは、単なる思いつきで議論したり分析したり、やってみたり、やらなかったりではなく、いったん始めたらずっと継続してやり続けることで、あたかも大地に地層が堆積して いくかのように土台が積み上がっていき、強固な基盤ができていくという意味を表しています。

 「継承性」とは、ブランドや事業、部門や世代を超えてノウハウが受け継がれて横にも縦にも展開できることを意味しています。

 すっかりビジネス用語として定着した、“仮説〜検証のサイクル”という概念ですが、学問の世界においては常に批判的に検討を加えるという意味で反証と言いますが、ビジネスの世界では批判的にも受容的にも検討を重ねていくという意味で検証と表現したほうがフィットするように思います。

 愚直に仮説〜検証のサイクルを回し続けるという体質は、前の会社で徹底的に教わりました。今にして思えば、最初はかなりぎこちないものでしたが、現在では完全に遺伝子として体に染み付いた昔の仲間達を見ていると、そのような結果を生み出すに至ったトップの強い思いと、とことんまでやり通すパワーには頭が下がります。

 ところで、最後に本稿を起こすきっかけになった本日のエピソードをご紹介いたします。生産管理の分野でITソリューションを提供しておられる冨田女史と、彼女を介して出会った池田女史(ファッションギルドLLPの主宰者)を交えた三人でのお話です。

 アパレルを科学するという視点で「継承性」を詳細に定義すると、“とかく暗黙知として限られた人間に土着しがちな業務のプロセスや、シーズンごとの結果から得られた次シーズン以降に引き継ぐべき知見を目に見える形にして誰でもわかるように引き継いでいく”と言うことができます。

 池田さん、冨田さんの共通の志の出発点は、ファッション業界のモノづくりにおいて、我々が忘れかけている“より着やすい、より面白い、より進化した、よりこだわった洋服を作り続けようよ”という「DNA」をアパレル各社と携わる皆さん方に復興してもらいたいという強い想いであます。そしてその帰結点は、果たしてそういう時代が再来したときには、それに十分に応えうる技術と知識を伴った人材が川上の各企業において継承されていないという齟齬が発生するのは火を見るよりも明らかなので、当該LLPを立ち上げ、我々でできることを模索していこうというものでした。

 もちろん、趣旨への全面的賛同とできうる限りのご協力を約してその場を後にしたのですが、専門分野は異なるものの「継承性」という共通のファンクションでアパレル業界に貢献できればと私自身の想いを改めて強くした次第です。

 どうもアパレル業界にルネッサンスの嵐が吹き荒れる予感が…私だけでしょうか?
 2008/01/22 23:01  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
三種の神器
 昭和30年ごろの消費生活におけるの三種の神器は「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」でした。昭和40年を過ぎて「車」「クーラー」「カラーテレビ」が三Cとして急速に普及しました。さらに現代の三種の神器は「デジカメ」「パソコン」「薄型テレビ」です。

 さて、昨年の神戸大学経営学部主催のシンポジウムでの議論から引用いたします。 まずはマーケティングの大家でいらっしゃる石井淳蔵先生のお話から。

 ウォルマートにはレジ前事業部(レジ前を統一的に管理)という部署があるそうです。米国のスーパーでは全体売上の5%(三人に一人が買う)を占めるレジ前売上ですが、日本で調べたところ、たったの25人に一人しかレジ前では買っていないことが判明。レジ前のほかにも定番売場に同じ商品が置かれているからです。

 ウォルマートでは、レジ前に置いた商品は定番売場には置かないそうです。いろんな売場に置くと、どこで売れたかわからなくなって、責任の把握ができなくなるからという理由からです。今日の売上よりも基本的マネジメントができているかどうかを重視するという、いかにもアメリカ的なお話です。

 さて、ここからは加護野先生節です。日本の経営の三種の神器を最初に言ったアベグレン。それは「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」でした。

 彼は、16歳で海兵隊に入隊し、徹底的に日本語教育を受けたそうです。占領後も円滑に軍事活動を進めていくには日本語に堪能な兵士が必要ということで、アベグレンの来日最初の仕事は広島に行って原爆の効果測定をすることだったそうです。米軍は原爆を落とす予定の都市には普通の爆弾は一切落としておらず、純粋な原子爆弾の効果性を冷徹に分析したそうです。このようなサイエンティフィックなアメリカらしいやり方の先鋒の一人だった彼は、その後、日米をまたぐ経営学の研究者になっていくのでした。

 アメリカは勝つために戦争を準備し、戦争を始めたが、日本は単に腹が立ったからはじめた。そこが当時の日米の決定的な違いであると。

 かの国、米国も国際通貨としてのドルも凋落傾向が著しい昨今ですが、そんな彼らと中東でのくだらない喧嘩に付き合っている場合でしょうか?

 今の米国からは太平洋戦争の頃のシャープさとクールさは感じられません。もし、彼らが当時の日本軍のレベルに陥っているとしたら…

 政治家の方々には多くを期待することができませんので、せめて我々ビジネスマンが健全で冷静な言動を心がけようではありませんか。
 2008/01/16 15:25  この記事のURL  /  コメント(2)  / トラックバック(0)
同期会
同期っていいですね。

 年初初日恒例の同期会に数年振りに参加してきました。もう20年近く続いている初出勤の日の恒例行事なのですが、その日に関西に居ることがなかったここ何年か、顔を出せずにいましたが、久しぶりに関西での仕事スタートだったので、日程を合わせることができました。

 昭和59年入社であることから、ゴックン(59)会というのが我々同期の集まりの愛称ですが、今年は総勢29名の参加でした。 当時は会社が急成長している時期でしたので、同期入社が200人以上いたのですが、それでも大勢集まったものだと感激しました。

 さすがにこの年齢になると、話題はもっぱら“息子のサッカーが”とか“娘のピアノが”というおっちゃん、おばちゃん会話に終始するのですが、(“息子のリリアン”にはちょっと驚きました)何年かぶりに会ってもスッと話題に入っていける同期って、とてもいいものだと再認識いたしました。残念ながら昨年亡くなってしまった常連の彼もここに来てるよ、なんて話にもなって、ちょっとホロリとも。
 
 笑いあり、涙ありの素敵な一年のスタートを切ることができました。素晴らしい同期の仲間たちと、彼らとの出会いを提供してくれた会社に感謝!!
 2008/01/10 13:23  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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