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諸刃の剣
 11月の声を聞き、ファッション業界の逆風も向きが変わり始める兆候が感じられ、一息つけるといいなと思う。

 そんな折、ネット社会につきまとうリスクを痛烈に感じさせられる出来事が三件相次いだ。

 ツイッターを通じて知り合うことをきっかけに犯罪に巻き込まれてしまう。自分の内面に去来するけれど、自分だけでは決めかねている未熟性の思いをツイートすることで、悪魔のようなハンターに捕獲されてしまう。

 創業者とのツイッター合戦で舌戦に敗れて離党した議員。これは世間に向けてプレゼンスを誇示したいがための発言が、当事者の個人の内面に深く刺さり込んで、大きな傷を与えてしまった事例だ。

 オフレコの意味と扱い方を決して正しく理解できていない発信者もメディアも少なからずいるので嘆かわしい。記録しない、報道しないというのは表面的形式的定義に過ぎず、本来は、必ずしも決めてはいないものの胸の内を駆け巡る衝動的思いや複数のオプションも含めて披露するので背景や情勢を把握する一助とされたい、というニュアンスまで含まれる。
つまりオフレコには、意思決定の材料や公表の選択肢を共有することでより相互理解を深める機能も包含されているのだ。

 そこから考えると、前者はオフレコ情報が不特定多数に開示されてしまうことで犯罪者による悪用に結びつくメカニズムが働き、後者は不特定多数の大衆に向けてのオンレコ情報が
特定の個人を潰すことに繋がったと解することができる。

 SNSはメディアであるということと、記者や編集者を介さず不特定多数に情報発信することの意味とリスクを理解できていないまま拡散してしまった現代社会にはメガトン級の地雷が潜んでいることになる。

 三番目は海賊版へのリーチサイトだ。試算される経済的被害額は4000億円を超えるという。伝統的犯罪の手口にサラミ法というのがあるが、60年代の米国で銀行預金の端数が四捨五入になっているところを切り捨てにして自分の口座に振り込むという事件が実際に発生し、その後映画や書籍などでも取り上げられた。

 現在我が国の金融機関は円未満の金利は全て切り捨てにしているそうだが、本来預貯金者のものがポッポないないでもいいのだろうか。それはさておき、サラミ法は単位当たりの金額は小さくても少しずつ積み上げれば大きな塊になるというチャリンビジネスロジックだ。

 その一方で、ネット上で利用者が爆発的に拡大することで成立したインフレーション型ビジネスとでも言うべきが今回の事例だ。正当なビジネスでそれを実現すれば社会は繁栄するが、犯罪に利用された場合はたちまち莫大な被害が一気に拡散することになる。

 現代社会が抱えている光と闇を間違えることなく正しくハンドリングする知識と倫理が強く求められている。
 2017/11/01 09:09  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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