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相対価値改善と絶対価値転換
日々の改善も怠ってはなりません が、改善の延長上には改革(変革)はないので、イノベーションのためには別途、特別なエネルギーと手配りが必要になります。

 ユニクロが百貨店に本格進出することは、ファッション業界にとっては大きな転換期としてのトピックです。集客力の回復が主目的だと報じられていますが、かつて百貨店の集客力と引き換えに、多大な歩率を甘んじて受け入れていたアパレルにとっては、忸怩たる思いがあります。

 ユニクロのビジネスモデルからして、20%を超える歩率が設定されるとは、とうてい思えませんので、経済秩序が大きく変わっていく転機になる可能性があります。

 インターナショナルブランドは、10%台の歩率で百貨店の一階のベストロケーションに陣取り、文字通り高級イメージの醸成とクオリティの高い顧客の誘導に寄与しましたが、彼らはこぞって路面へと脱出していきました。

 仮に10%の歩率でも、月坪200万をたたけば坪家賃20万円を吸収できる計算になりますので、銀座のそこそこの場所まで出店可能エリアとなってくるわけです。

 大手セレクトショップの幹部の方が、中堅地方土地の路面物件は、インショップで歩率家賃を負担するよりも経済的に十分見合うので、インショップから脱出する方向性も視野に入れたいとおっしゃっていたのは、もう三年も前のことです。その後、それらしい動きは見えてきません…。

 相対的改善の雄である原価低減は限界にきていると思われます。これ以上の数値改善は品質改悪となり、消費者を裏切ってしまう閾値寸前の状態です。

 マージンをとるに足る付加価値を、参加プレーヤーが応分に負担するビジネスモデルへの絶対価値転換が求められています。OEMメーカー、アパレル(セレクト)、ディベロッパーの三者で高マージンを享受できる時代は終焉しました。

 シングル、もしくはダブルプレーヤーによる新しいビジネスモデルの出現は、もうすぐそこまで来ています。
 2009/07/29 09:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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