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絶対矛盾の先にある自己同一 セレクト系ECサイトの経営者のS氏とRockyと会食しました。S氏とは、前職在職中以来7年目のお付き合いになるのですが、久々に耳にしました、西田哲学。それは「絶対矛盾的自己同一」。 彼は、とても壮大な世界観(宇宙観)をお持ちで、哲学的な方です。7年間、ずっとそんな議論を重ねてきたのですが、彼が所属していた総合商社初のMBOをやり遂げるとは、流石とうならされました。その過程では様々な議論や苦悩があったと聞いていますが…。 さて、大手運送企業からスピンアウトされたロジスティクスの専門家(神戸大MBAの同窓です)からお聞きしたお話しです。 その会社は、物量を獲りにいく営業活動だけでは先がないとかんがえ、コンサルティング部門を社内に立ち上げました。コンサルティング部門が真面目に仕事をすればするほど、ロジスティクスは改善されていき、そのうち倉庫スペースが2割削減されたり、作業量が大幅に合理化されたり、見る見るうちに効果が上がっていきました。極端な場合には、ロジスティクスの委託先を競合他社にお願いした方がベターという提案まで出てきたところで、その会社はコンサルティング部門の閉鎖を決定。 既存ビジネスとコンサルティングという新規ビジネスとの間に絶対矛盾が生じたわけです。そのことを、蛸が自分の足を食うようなものだと捕らえてしまうと、現実のとおりクローズで終わりとなります。 もし、そこで余剰が生じたコストや資源をさらに新しい業務の受託、たとえばコンタクトセンターの運営とか通販ビジネスの立ち上げなどに結びつけることができ、そのビジネスを請け負うことができれば、絶対矛盾の先に新しい自己同一の姿が見えてくるということにもなった可能性があるのですが…。 実は、絶対矛盾の先にある自己同一という西田哲学は前職の社長から教わりました。プラットホームやロジックの土台で成功している同社ですが、実は経営者の背景には深い哲学があるのです。 ただ、哲学は哲学であるがゆえに、俗世間に生きている普通の人々には重たい側面を持っていることも忘れてはなりません。 とはいえ、真理の追究なくして人生の意味はないと考えたいですね。 |