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社会はロジカルにできている
ロジカルシンキングの研修で、某メガバンク新人のWさんから面白い感想を聞かされました。

「社会はロジカルにできている」と。

 まさに、社会はもとより、さらに上位概念の自然界も、極めてロジカルにできています。“本来は…”という注意書きが必要ですが。

 自然界で働いている法則や構造はロジカルそのものです。自然の法則は、ロジカルシンキングで言うところの“数式”そのものですし、“カオス”や“複雑性”の世界も、つまるところロジカルシンキングで言うところの“プロセス”や“構造”ということになります。

 ただ、そのメカニズムがあまりに複雑で長いことから予測不可能性が高いだけで、結果には科学的必然性があります。

 また、自然界のデザインに自己相似性という原理が多く見られることは良く知られています。海岸線がその代表的例ですが、“コッホ曲線”や“マンデルブロ集合”や“ジュリア集合”などを一度じっくりと眺めてみて下さい。それらはとても美しく、思わず引き込まれるものを持っています。

 一方、我々人間が構成する社会に目を転じると、かつてアダム・スミスが国富論において“神の見えざる手”と言ったのは、社会を構成する個人個人がそれぞれの利益を追求することが意図せざる結果として社会全体の利益をに向上させるという考え方でした。

 経済学的には、完全なる市場が実現しない理由には、情報の非対称性(偏り)があることや、必ずしも経済合理性だけでは意思決定をしない人間の性などがあると説明されます。

 期待値が投資を上回ることが絶対にないことが分かっているギャンブルがこの世からなくなることはありません。

 経営の現場においては、部分最適の合算は必ずしも全体最適にならず、全体最適を分割しても必ずしも部分最適にはならないことがままあると言われます。

 これらは全て、我々人間が経済合理性やロジックだけで意思決定や行動をしているわけではないことに起因します。時には利己的にもなり利他的にもなり、儲けたいことも尽くしたいこともあるのが人間の性です。

 本来、社会もロジカルにできているのですが、そのような人間が介在することから想定外のことが起こったり、反社会的なことも起こりうるのが現実です。

 我々が接する現象は一見してランダムだったり、予想外だったりすることも多々ありますが、その原因構造をしっかりと紐解いていけば必ずそこにはロジックがあるはずです。本来、社会はロジカルにできているのですから。
 2008/10/05 11:25  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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