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加護野先生とゼミOBの方々と恒例の研修旅行に行ってまいりました。 今回の訪問企業は、NTNの岡山工場と林原生物化学研究所です。 前回、宮崎のダンロップのタイヤおよびゴルフクラブの工場見学とシーガイヤでの丸山CEOとのディスカッション以来、約一年半ぶりのゼミ合宿でした。 まずは、NTNから。東洋ベアリングと言うと、ピンと来る方も多いと思いますが、ベアリングの大手優良企業で、岡山工場では自動車用の等速ジョイントを生産しておられます。 最初の感動は、ここで生産された等速ジョイントが、はるばる海を渡ってバイエルンでアセンブリーされて再び日本に戻ってきて私の愛車を支えてくれていることを始めて知ったことでした。 そんな個人的感傷はさておき、当日のサプライチェーンの視点から見た議論のポイントは、海外のサプライヤーには真似が出来ない日本的サプライチェーンの特徴と強みは何かということでした。 一言で言うと、「サプライヤーが後工程の工場を止めてはならないという供給責任を、契約上の条件としてではなく製造メーカーとしての倫理観として強く持ちあわせている。」ことです。 NTNのサプライヤーとしての倫理観がトヨタをはじめとする自動車メーカーの供給力を支えており、詳述は避けますが、住友金属がJRを支えているという図式です。そのおかげでJRは安心して世界に類のない正確無比なダイヤを維持することができ、ひいては電車で通勤したり移動するビジネスマンの不遅刻を支え、分単位のアポイントを可能とし、結果的にわが国のあらゆる企業の利潤の源泉になっていると。ただし、それらは契約書の上で明示されているわけではなく、サプライヤーの精神の中に存在しているものなのです。 そのことを最初に指摘したのはマックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムと資本主義の精神」で、そこでは“人間の仕事は他の人間によってチェックすることはできない”と説かれています。すなわち、契約書上の条件で相手方の行動を本質的に律することはできないのです。この議論は、モチベーションで言う、“内発的動機付け”や“内省”というキーワードにも通じているなと感じました。 NTN見学から導出された知見には、二つの含意があり、ひとつは“サプライチェーンの書かれざる見えざるルール”ともうひとつは“各企業の利益の源泉は、企業や業界の枠組みを超えて存在する社会資本的な価値連鎖の中にある”ということです。 林原生物化学研究所と、宿泊およびゼミナールに使用した直島のベネッセハウスのお話は次回に。 |




