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なにわ百貨店戦争
 連休中のMJで“なにわの百貨店 個性で勝負や”と引き続きの情報が報道されましたので、数字だけ抜いてご提供します。

 下記が単純計算の月坪効率、年商、売場面積(坪換算)を月坪の降順に並べたものです。

 ちなみに新宿伊勢丹は19500坪で2200億ですので、月坪は94万円。新宿ルミネは5200坪で500億(推定)ですので、月坪は80万円。
 百貨店の場合は、数百億の外商の数字がどの店に計上されているかで大きく数字がぶれます。また、地下の食料品や催事はビジネスモデル的に月坪の水準が異なります。

 とはいえ、ある種の比較検討は可能ですので、お試しあれ。

                月坪(円)  年商(千円)   坪数
阪急うめだ本店(増床後) 673,200  122,400,000   15152
阪急うめだ本店(増床前) 610,156   213,000,000   29091
近鉄阿倍野店        485,260   84,700,000   14545
阪神梅田本店        473,726   91,300,000   16061
ルクア             467,500   34,000,000   6061
高島屋大阪店        415,321  117,800,000   23636
大丸心斎橋店        295,801   83,900,000   23636
大丸梅田店          265,117   61,700,000   19394
近鉄上本町店        217,574   26,900,000   10303
あべのキューズモール   179,348   45,000,000   20909
JR大阪三越伊勢丹     170,500   31,000,000   15152
なんばパークス        138,031   26,000,000   15697

 2012/05/07 10:03  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
めざせ飴ちゃん
「三越伊勢丹ナニワの洗礼」の見出しが朝日新聞関西版夕刊のトップに踊りました。

 一周年を迎える大阪ステーションシティですが、三越伊勢丹の売上が当初予測の56%に留まっていると。5万平米で3月末までの売上が310億なので、月坪に換算すると18万6千円。ほぼ同じ規模の梅田阪急の約4分の1。

 ちなみに約半分の規模のルクアが340億、大丸が617億で阪神がちょうど阪急と大丸の中間くらいの売上。並べてみると、三越伊勢丹〜大丸梅田店〜阪神梅田本店〜阪急うめだ本店がちょうど四等分で配置される。

 「大阪の人に訴えるには、値引きは絶対に必要」というのが三越伊勢丹のコメントだが、果たしてそうだろうか?

 おばちゃんの声として、“上質感はあんねんけど、東京っぽい冷たさを感じるわぁ”“話しかけても、営業の言葉で返事されるとキャッチボールにならへんやん”etc.

 私の見立ては、天高と通路幅が十二分に確保できている現代フォーマットが裏目にでて、シックで暗めの演出も逆効果で、人が少ないことがさらに負のスパイラルを生んでしまって…という売場に見えます。

 ルクアはというと、明るくてリズムがあって、何かが動いているという空気感を感じます、阪急、阪神、大丸の序列は梅田では歴史であり文化であり変えようがないものだと感じます。

 大阪のおばちゃん達とは、飴をあげたりもらったりのフレンドリーな関係が値引きよりも優先順位は高いのではと私は考えます。翻ってメンズ館の比較を行うと、新宿伊勢丹が別格で、阪急うめだがこじんまりとして親しみやすく、有楽町阪急が中途半端で……という感じでしょうか。
 
 商業施設は“街”です。人にとって街は自分を優しく包み込んくれるものであり、グリップできるものでなければなりません。包み込む優しさが感じられず、グリップできない感が醸成されると、人はその空間に近付いたり留まったりはしません。

 オフィス街でいうと、汐留とか品川がそんな感じで、私たち人間のサイズを超えて街が威圧してきますよね。

 大阪のおばちゃんが“飴ちゃん”を常に携帯し、人に施す理由もそこにあります。飴はポケットやポーチに自分サイズで自在に持ち歩くことができます。口に含めば優しく私たちの味覚を包み込んでくれると同時に、私たちは口のなかで飴ちゃんを完全にグリップすることができています。

 三越伊勢丹が大阪において目指すべきは、愛すべき飴ちゃんです。
 2012/05/02 17:56  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
それぞれの遺伝子
売変(期中売価変更)の議論でしこたま盛り上がりました。

 作る遺伝子を有するアパレルは一枚でもたくさんプロパーで売ることにこだわりますが、小売の遺伝子を有するSPAでは、一日も早くお金に換えることにこだわり、フレキシブルに売価を下げていきます。

 前者の言い分は二つあって、ひとつは丹精込めて開発した商品をそう簡単に格下げはできないという思いと、昨日まで上代で買ってくれたお客様がひとりでもいらっしゃれば、その人を裏切るような商行為は憚られるというものです。

 後者は、時価発想でその場その場でお客様と駆け引きをしているという発想です。以前は不可逆的にしか変化しなかったアパレルの販売価格ですが、いまやキャンペーンが終わればもとの価格に戻る(値下げの後の値上げ)ことも常態化しました。

 社内売買を成立させて、企画側は製造粗利を確定させ、営業側は販売粗利で勝負するという議論をしたこともありましたが、それは同一企業内で実現することはありませんでした。しかしながらOEM、ODMルートの商材は資本を超えた組織間で社内売買をしているようなものです。

 製造から販売までを一気通貫するSCMの仕組みは、どのSPAアパレルも一定のレベルまで到達したように見ええますが、売り方の部分は思想や遺伝子も含めて二極が対立したままです。どちらに軍配が上がるかというよりも、真のSPAの完成を目指して第三の答を出すこ
とが求められています。

 私の考えは、期末まで絶対に格下げを避ける顔になる商材と、どんどん価格訴求していく商材を分けて企画し、分けて販売するというものです。そうなると、大半の小売が行っているレジ値引きやカード優待が壁になりますが、それらは商品が値下げされているのではなく、店からキャッシュバックを受けていると解釈すれば、考え方としてはクリアになります。

 アウトレットの現状と将来も売り方と作り方に大きく影響を与えつつあります。ポスト平成モデルと名付けて有るべき姿を追求し始めて数年になりますが、EXITはもうすぐそこに来ています。
 2012/03/15 08:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
修行の続きをば
さらに5冊で修行です。

「眠れぬ夜のグーゴル」(A・K・デュードニー)

 数音痴を解消し、世の中にはびこる罠にはまらないためのトレーニング書です。
マーク・トウェインの"世の中には三種類のウソがある。嘘と真っ赤な嘘と、そして統計である」"が引用される。私たちの周りには意味を装った無意味と無意味を装った意味が充満している。その中から正しい事実を見出す能力は極めて重要だと言えます。

 とてつもなく大きな数字や小さな数字にも私たちは惑わされる場合が多いと。識字力だけでなく識数字力も不可欠だと思い知らされます。

「記憶は嘘をつく」(ジョン・コートル)

 記憶は都合よく再構成もされるし、後発的に創造もされるものだそうだ。私たちは客観的記録よりも記憶に頼って仕事をしたり、生活する場面が多い。数字は客観的事実を示しているが、その数字に至った過程や原因の分析においては、記憶が大活躍する。恐ろしいことです。

「きわどい科学」(マイケル・W・フリードランダー)

 疑似科学を徹底して戦う著者の強い思いが伝わってきます。正統科学と疑似科学の間には周縁部があるという。私たちが業務で日常的に使っているロジックやナレッジにおいても、その三つのフィールドを意識して、疑似科学を廃し、正統科学の領域に入る理論を選別する努力と技術が求められるということです。

「その科学が成功を決める」(リチャード・ワイズマン)

 世にはびこる多くの自己啓発法は、むしろ私たちを不幸に追い込む場合が多いのだと。私たちは思い込みと思い違いの洪水の中で溺れてしまうのか、無事泳ぎ切ることができるのか、その手腕が問われます。

 さて、大半の資金が消失してしまった投資顧問会社は、そもそもが真っ赤な嘘だったのか…?勝ち組ほど自己チューという研究結果が公表されました。社会生活のための資源が増え、他人に頼らないで済むようになるほど自己中心的な社会感が形作られる可能性があると研究チームのコメントが紙上に掲載されましたが、懐疑主義的に見ると次のようになります。

 そもそも、自己中心的に振舞ってきた人々が勝ち組になっただけではないのか…?と

 そして、「確率論的思考」(田渕直也)で実務的に頭の整理の仕上げを行うことができます。
科学の旅はまだまだ続きます。
 2012/02/28 07:48  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
去年壊れたもの
我が家で昨年壊れたもの。

 四代目のPC…。ネトゲに活躍してくれたDellが御臨終しました。ちなみに初代はコンパックのオールインワン。MBAの論文を仕上げるのに活躍してくれました。ソフトが一太郎だったことが懐かしい。二代目は頑強さを買ったIBMのTHINKPAD。確かに物理的には長持ちしました。三代目は日立のプリウス。起動しなくなりましたが、長男がハードディスク目当ての方に5000円でヤフオクってくれました。

 五代目がシャープのメビウスで、これは経理処理の弥生専用マシンとして現役です。六代目のVAIOタイプTはネットサーフィン用で活躍中。七代目のタイプXはモバイルとして常備品。八代目のタイプZは大規模分析用マシンとして活躍し始めたところ。今年のさらなる活躍が楽しみなところ。

 炊飯器…。二人暮らしに戻ったため、三合炊きのかわいらしいマシンに買い替え。

 DVDレコーダー…。即日ブルーレイを購入したら、コールセンターの指示によるリセットで息を吹き返す。買ったばかりのブルーレイは展示品と化す。

 掃除機…。二人で悪口を言っていたら急に息を吹き返す。

 長男のダットラ…。キャブが逝かれたらしい。22年落ちなので潮時だが、中途半端な電子制御仕様のため手入れ不可能。やっぱ昭和のキャブを手で触れるに越したことはない。

 我が国でもっとも大きな壊れ物は東日本…。代わりに原発などエネルギーの分野や、家族や絆とはということで様々なパラダイムシフトが進行中。

 アパレル業界で壊れつつあるものは上代…。アウトレット商材に対する「意味がわかんない!!」との消費者の声が生々しい。一方で、ちゃんとしたものをプロパーで買おうよとの声にほっと一息。

 セール時期の問題とも合わせて業界として真摯に対応していかなければ、価格訴求品のみが幅を利かせる業界になりかねない。今年一年、この問題はことあるごとに取り上げていきたいと思う。

 年末年始と書き込みをさぼってしまったので、遅まきながら。
 2012/01/07 09:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)
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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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