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ビジネスパーソンの進化をひしひしと感じた9月であった。 第一週には電鉄会社の係長を対象にしたファシリテーション研修を2年ぶりに担当させていただいた。2011年にご一緒したのが最初なので、6年が経過している。 第二週には通信キャリア企業の2年次研修(全五日間)を2010年以来6年ぶりに執り行っ た。 昨日一昨日は、中堅メーカーの初級ビジネスリーダー研修のフェーズTをやらせてもらった。こちらは2014年から4年目にあたる世代になる。 全てにおいて共通して感じるのは、受講生の知的インフラの飛躍的向上があるということだ。知的インフラにはストックとしての知識と、エンジンとしての地頭力の二面が含まれている。 たった数年で?、気のせいだという議論と、その数年に何かの臨界点があったという議論の両方が成立しうる。それぞれの事例で、最も若いのは25歳前後、次が30大半ば、一番上が40過ぎという世代に相当するが、彼ら彼女らがどういう時代にどういう刺激を経て現在に至っているかを考えると、ある景色が浮かび上がってくる。 霞に過ぎなかった「ゆとり教育」からの揺り戻しを経験した最若手ゾーン。「ゆとり教育」に尻尾を踏まれることなく社会に出てきた世代だ。真ん中のゾーン。バブル崩壊後に自力で内定を獲得した最古参ゾーン。 現在、多くの会社を部長以上の職責で引っ張っているのは1980年代以前に入社した世代であろうが、95年問題というのが大きく横たわっている。 ロジカルシンキングのナレッジがバーバラ・ミントによって米国に問われたのが1985年の「Pyramid Principje」、それが邦訳されて「考える技術・書く技術」として我が国に上陸したのが1995年。つまり、ロジカルシンキング・ブラインドの世代が今の経営幹部というわけだ。 次の時代を担う人々は確実に進化している一方で、いまさらベーシックスキルの研修で網をかけることなどできない50代がそれらの人々の上司であるという厳然たる現実は否めない。 次世代のために道を譲るか、老体に鞭打って自己研鑽に励むか、道は二つに一つしかない。第三の道を歩んでいるご老体の傘下の人々には、誠に気の毒であるという言葉しかない。 |