« 民主主義を考える | Main | 足りてないもの二つ »
今こそ合従連衡
トヨタとマツダが資本提携だ。

 2009年の7月に「キリン、サントリー経営統合へ」という見出しが躍った紙面が思い起こされる。結果としては成就することはなかったが、その後サントリーは米国のビームを手に入れ、ウィスキー路線を突っ走ることになる。そのあたりの経緯は、永井隆氏の“サントリー対キリン”(日経ビジネス人文庫)を参照されたい。最近の人気本“キリンビール高知支店の奇跡”も悪くはないのでお薦めしておく。

 全くの余談になるが、サントリーの山崎が店頭のフェイスから消えた。手に入るのはCVSで売っているスモールボトルか車内販売で手に入るミニボトルだけだ。どうやら中国の業者が買い占めているらしい。とんでもないプレミアムが乗せられて売られているのだろう。さらに空き瓶を利用したパチモンも数多く出回っていることと想像される。

 ところで、欧州では2030年までには内燃機関を搭載したクルマの販売が禁止される。2050年頃には欧州には電気自動車しか走っていないことになる。欧州における電気自動車のデファクトはVWが握ったので、今回の提携からは、世界と対するには国内で競争している場合ではないという力学を読み取ることができる。米国は暫くはガソリンをがぶ飲みする文化から脱することはないだろうが、AIの頭を誰がとるのかもさることながら、電気自動車の覇権を握ることも産業にとっては死活問題だ。

 翻ってファッション業界に目を向けると…。

 海外も併せると1兆円を超えるファーストリテーリングという別格は存在するが、2000億やそこら以下の規模でドメスティックな競争を繰り返している場合ではないことは明らかだ。建築屋や音楽家のDNAに旬のブランドやビジネスモデルをさらわれているようでは情けない。

 FRとワールドが統合したら面白いことになるだろうなと思考実験を行ったことは、一度や二度ではない。どちらが頭をとるのか、人事はどうするのかという政治的要因は揉めること必携だが、ビジネスとしてはとても面白い未来の到来が期待される。FRもキャビンやビューカンパニーのM&Aでは忸怩たる思いが残っている筈だ。リンクセオリーが上手く収まっているのは代表のH氏のキャラに負うところが大きい。

 世界に打って出るどころか、世界レベルの戦いにおいて生き残るべく合掌連合を模索する必要がある。さらに退屈から逃れる大いなる気晴らしとしてのファッションの地位を低下させてしまった歴史のツケを支払うことは容易ではない。アッとさせられ、ウーンと唸らされるような技を披露してくれる経営者はいないものか。これまでのパラダイムをゼロセットしたウルトラF難度の技を期待する。
 2017/08/05 16:26  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

トラックバック

この記事へのトラックバックURL  ※トラックバックは承認制となっております。
http://apalog.com/kitamura/tb_ping/703


コメントする
※コメントは承認制となっております。
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

北村禎宏 プロフィール
リンク集
カテゴリアーカイブ
最新記事
2017年08月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
月別アーカイブ
最新コメント
Sayo
ファッションのコモディティ化 (2015年12月11日)
冨田さより
すごい学生がいたもんだ (2015年08月09日)
しの
日本人の忘れもの (2013年02月11日)
nobu
やっぱやられた (2012年10月24日)
北村禎宏
ダイバーシティにて (2012年05月24日)
最新トラックバック

http://apalog.com/kitamura/index1_0.rdf
更新順ブログ一覧
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード