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誰がアパレルを殺すのか
 昨年秋に日経ビジネスおよびオンラインで特集されたコンテンツが単行本として上梓された。

「誰がアパレルを殺すのか」(日経BP社)杉原淳一/染原睦美

 新しい取材先も加えて力作として仕上がっているので、業界人は是非ご一読あれ。その一つが“桃太郎ジーンズ”を世界に問うているジャパンブルーの眞鍋親子だ。眞鍋社長とは暫くお会いできていないので、御子息ともどものご活躍の様子を微笑みながら読ませてもらった。

 同書は、ITを駆使してアパレル業界の「外」から勢力地図を塗り替えようとする動きは今後も加速し、「中」から改革する挑戦者も増えるに違いないと締めくくる。

 外からは放っておいてもデジタルとバーチャルを武器にした新興勢力が押し寄せてくる。中からはアナログの遺伝子を呼び起こして失われた20年を取り戻さなければならない。

 とはいえ、器側(売場)もコンテンツ側(アパレル)も中途半端に老舗(数十年企業は数多あるが100年企業は百貨店のみ)で、巨大な図体を俊敏に動かすことは容易ではない。

 ホモサピエンスに座を奪われてしまう恐竜で終わってしまうのか、自らサピエンスを超越する存在に進化できるのか。それには、ユヴァル・ノア・ハラリがサピエンス全史の結びで発している問いに答える必要がある。

 「もし本当にサピエンスの歴史に幕が下りようとしているのだとしたら、その終末期の一世代に属する私たちは、最後にもう一つだけ疑問に答えるために時間を割くべきだろう。その疑問とは、“私たちは何になりたいのか”だ。」

 そう、SPAというのは単なるオペレーション(プロセス)に過ぎず、何になりたいのかというゴールを示しているわけではなかったことが露呈したのだ。挙げ句にたどり着いてしまった踊り場には手がかりも足がかりもあるが、私たちは手の掛け方と足の掛け方がわからなくなってしまっている。

 ここから本当の勝負が始まる。
 2017/06/02 08:36  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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