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十二人の侍
 昨年はアウトレットのSVの方々をメインに事業部のDBも交えた育成施策をご一緒させていただいた老舗セレクトさんの第二弾が折り返し点まで到達した。2月10日を皮切りに、最初だけ二週のインターバルで、2月24日からは毎週の四連チャンだったことから、様子を紹介させていただくのがこのタイミングになってしまった。

 第二弾は事業部のMD十二人の侍たちを対象にして、昨年よりもややボリュームアップしての実施となった。同様のスキームを実施することで職種特性が浮き彫りになった。これは当該企業のみならず業界一般論にも敷衍することができる。

 SVとDBにとってはものごとそのものよりも表現や形式が気になるしぱっとそれを掴みにいくのに対して、MDはものごとそのもの、すなわち本質をじっくり考えて、そう簡単には表現や形式では手を動かさないという特性の違いがある。

 何もSVとDBが表面的で浅はかに過ぎないと言っているのではなく、どちらから手を付ける傾向があるのかという順番の問題である。前者の方が分析的アプローチなので着実に前進しやすい一方、後者はいきなり本質を対象にして思考することから、じっと考えこんだまま手が動かない罠に陥りかねない危険性がある。

 52週のMDロジックの逆機能については改めてこの場で議論するまでもないが、サクサクとデータをぶん回してその結果として本質にたどり着いたつもりになっていた“なんちゃっMD”
は、手は動いているがその実、本質的なモノ作りにはとうてい及ぶ術もなく、軽薄短小なペラペラの商品しか生み出せなくなってしまった業界事情は大反省ものだ。

 だからこそそう簡単にはパッと手が動かなかった今回の参加者を私は「侍」と表現した。算盤をはじく商人ではなく勘定ごとには不器用な、しかしながら武士としての道を踏み外すことはない、そんな侍と姿が重なって見えたからだ。

 その彼ら彼女らが、喜々として次回に向けてアウトプットイメージとそれにむけて必要なデータや分析方法を情シスと打ち合わせている姿に心打たれるものがあった。それは決して算盤を手に入れたのではなく、名刀として新しい鞘に収まったのだろうと想像される。

 そんなMDの遺伝子を失っていない人々に一本でも多くの名刀をお届けしたい。
 2017/03/20 16:41  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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