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サービス残業が隠れていた
ユニオンの質的変貌の影にはサービス残業が隠れていた。

 サービス残業にも様々なタイプがある。横軸に職種を、縦軸に類型をとるとマトリクスを描くことができる。横軸には、肉体労務の提供(いわゆるブルーカラーもしくはワーカー)と知的役務の提供(ホワイトカラー)が挙げられる。

 その折衷形に、知的肉体労務の提供がある。何も考えないでただただ体を動かすだけの単純労務の多くは機械にとって代わられた。アパレルや飲食の接客業も、背景としての知識や機微に溢れる会話が問われる。宅配便のセールスドライバーも間違いなく折衷形だ。

 トラックを運転して荷物を揚げ降ろしする分には単純作業であるが、配荷のみならず集荷や再配達、時間指定まで含めた最適配達ルートの立案は完全にオペレーションズリサーチの世界である。とても頭を使う仕事であり、スキルの差による生産性の違いも大きいと考えられる。

 縦軸は、完全放置(タイムカードも出勤記録もない)というもっとも杜撰なレベルから、みなし残業手当で一律処遇しているケース、タイムカードや端末のオンオフを意図的にショートカットするちょっぴり悪質なケース、そんな暇はないので無意識に実態と打刻がずれてしまう良質なケースなどにグレーディングできる。

 折衷形×良質なケースでも、違法は違法という厳しい現実がある。数百億の負担はさすがに企業体力を奪うだろうが、超優良企業の遺伝子があるはずなので大丈夫だと信じたい。

 それより深刻な問題は、ECの急速な拡大とそれに伴うデリバリーのバリエーションの増加である。厄介なことに核家族化単身家族化も並行して進行しており、不在率も併せて増加する一方である。

 もしかしたら、利便性とコストが見合う閾値を超えてしまっているのかもしれない。利便性を担保するバリューが人力である限りは時間的にもコスト的にも限界があることを甘んじて受け入れなければならない。付加価値の大元の源泉は人である。折り合いをつけることができるか、資本主義。
 2017/03/04 17:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール

北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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