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モラルステージ
 上海に「大江戸温泉物語」がオープンしたそうな。もちろん日本のそれとは何の関係もない。

 私が入社した当時の会社も、商標権をはじめとする知財はユルユルであった。他者の先行する権利にフリーライドするレベルのステージはとっくに超えていたが、十分にプロテクトできるステージには及んでいなかった。

 百億を超える売上を誇っていた基幹ブランドのいくつかですら、他者から商標権を譲ってもらったりやらで、切った貼ったの状態だった。そんなところに、反社会的勢力に代表される人々にもてはやされるメンズブランドが急成長したものだからたまったものではなかった。

 三ノ宮の高架下や大阪の丼池界隈でコピー商品のサンプルを購買しては、手を打つ仕事に追われる日々が続いた。海外では、台湾や韓国に苦労支えられた記憶が生々しい。特許事務所経由で話をつけられるという意味で台湾は比較的行儀が良かったが、東大門と南大門市場には手も足も出すことができなかった。90年代になってからも、韓国では“KOZOC”なるブランドが登場する始末であった。

 このように、国レベルで知財に対するモラルステージはライフサイクル理論のごとき進化を歴史的に辿るのだが、大陸の中国はいかなるステージにあるのだろうか。真似をすることに対する文化的基盤が全く異なるとは言うものの、ビジネスにおいては一定のモラルステージに早く達して欲しいものだ。

 模倣の経営学(井上達彦)の視点からは紙一重の議論になるが、人や社会が許されている学習としての模倣とただ乗りは全く異なる。テクニカルに言うと、抽象化した概念を模倣して異なるロジックツリーで具現化することは許されているし、それがまさに学習そのものなのだが、彼の国の人々にそのようなモラルは期待しうるのだろうか。法的対応を検討するとのことだが、現代的モラルに基づく当局の圧力に期待するしかないであろう。

 つま恋が閉園になる。南こうせつも吉田拓郎も感慨深いものがあるだろうが、全社一丸の部署旅行でつま恋を借り切った諸先輩方々も同様と拝察される。容赦なく時は流れてステージは変遷していく。
 2016/12/23 15:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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